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<ガンバ大阪>ホーム最終戦を白星で飾る。遠藤はJ1通算100ゴールを達成!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

アルビレックス新潟を迎えてのJ1リーグホーム最終戦。5分という早い時間帯にFWアデミウソンのゴールで先制したG大阪は、一度はセットプレーから失点し、追いつかれるも1-1で迎えた後半。相手のFWラファエル・シルバがこの日2枚目のイエローカードで退場に。数的有利の状況で試合を進めると、60分にはエリア内で相手のハンドを誘ってPKのチャンスを得る。キッカーに立ったのは遠藤。ゴール右上に『J1通算100ゴール目』となる豪快な一撃を叩き込む。リードを奪った後も攻撃の手を緩めないG大阪は相手がさらに1人退場となる中で、試合終了間際のアディショナルタイムにFW呉屋が追加点を奪い3−1。ホーム最終戦を白星で飾った。試合後のG大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

最後まで集中力を切らさずに戦ってくれた結果だったと思います。タフな試合になるというのは初めから分かっていた中でいい形で先制し、そのあと若干、受けてしまったというか、ブロックを作ってなかなかアグレッシブなサッカーができない時間帯にセットプレーで追いつかれてしまいましたが、そのあと少し押し返しすことができて前半を終えました。

後半も、前半からサイドをだいぶ突けていたので、最後の精度だったり、もう少し、前線の選手が背後を狙う動きを繰り返そうといって試合に入ったが、早い時間帯に相手が1人少なくなり、逆に難しい展開になりました。

ただ、遠藤が冷静にPKを決めてくれて、だいぶゲームをコントロールしながら展開することができたと思っています。PKも新スタジアムでなかなか決まらなかったのですが、ようやく、遠藤がしっかりと決めてくれました。これで少し呪縛から解き放たれて、これからの試合を戦えるんじゃないかなと思っています。最後、呉屋が押し込む形ですけど、これからにつながるゴールをとってくれたのも、チームにとっては大きい。今シーズン最後のJ1リーグは、アウェイの川崎戦ですが、しっかりと我々の力を示して戦っていきたい。4位の大宮も今日勝ったので、最後もとにかく勝って少しでも高い位置にいられるように、また天皇杯につながるような試合をしたいと思っています。

ー遠藤選手がJ1通算100ゴールを決められました。評価をお願いします。

最後までとっておいたのかな、と思います。こういう舞台でとるのはさすがヤットだなと思います。これからもさらにゴールを重ねて、どんどん自身の記録を伸ばしていってもらいたいと思っています。

ー新スタジアムでの勝ち越しは3つでしたが、これに関してはいかがですか?

前半戦がなかなか勝ち星につなげることができなかったので、最終的にCSの出場権を逃してしまったと思っています。スタジアムが変わり、景色が最初のうちはだいぶ変わって、芝生の長さ的にも少し変わって…それは選手たちも分かってはいたんですが、本当に慣れるまでに時間がかかってしまったと思います。これは私に責任があると思いますが、なかなかチームとして、今シーズンの戦い方というところをうまく選手と共有できなかった。ただセカンドステージに関しては1つになって戦って、まだまだ得点という部分では物足りない部分もありますが、だいぶアグレッシブさが戻ってきた。最近の試合では、勝利にこそ繋がっていなかったとはいえ、よりソリッドな戦いもできるようになってきました。こういう戦いを続けながら、天皇杯、決勝は吹田スタジアムで開催されるので、今シーズン最後の最後の天皇杯の舞台で最後まで戦ってサポーターと勝利で分かち合えるように、まずは来週の川崎戦、そのあとの清水戦に全力を傾けて戦いたいと思っています。

●FW呉屋大翔

本当に、やっとという感じです。結構、監督に試合に使ってもらっていて申し訳ない気持ちもあったのでそういう意味ではとりあえずホッとしています。(呉屋選手らしいゴールでした)そうですね。今シーズンはずっとこぼれ球とか、シュートもそうですけどずっと狙っていて、ポストに当たったり、こぼれてこなかったりというのがずっと続いてたので、ああいうのがこぼれてくるのは自分としても感覚的にはいいと思うので、こういう感覚を忘れないようにしていきたい。(井手口選手がシュートを打った時にくるというイメージはありましたか?)そうですね。陽介が詰めてきていたのは見えたので少し距離をとってこぼれて来て欲しいなと思っていました。(試合後健太さんから声を掛けられていましたが)大きいぞと言われたので、遅いです、とはいいました。

●DFオ・ジェソク

今年は他のシーズンより早く時間が過ぎているなという感じですが、とにかくホーム最終戦は勝って締めくくりたかったので、それができて良かったです。(同点には追いつかれたけど、それ以外のシーンは落ち着いて戦えた)そうですね。ボールをまわすのも、他の試合よりもまわっていたように思いますし、試合の入りもメンタル的な準備も全員がうまくやれていたし、内容についてはしっかり準備していた通りのパフォーマンスをみせることができて良かったです。(サイドが今日は上がれるシーンも多かった)そうですね。ハルくんが、僕より攻撃的な選手だから、そのバランスを考えながら、僕もタイミングをみながらチャンスがあればあがろうと思っていました。イメージ通り、淳吾さんがボールを持った時にあがるというようなシーンもいくつか作れたのでそれは良かったのですが、最後のクロスの精度があまりあわなかったら、あとは練習して、もっといいボールを前線に送り込めるようにしたいです。

●FWアデミウソン

チームとしてアグレッシブに前からプレッシングをかけていくという姿勢で臨もうということはチームとして徹底していたので、その中で先制点を取れたのはすごく大事だったし、先制点をとることによって彼らより優位な条件で試合を進められるという点で良かったと思います。チーム全員がきっちりとプレッシングを掛けた中で相手のボールを奪取することができたのはすごくよかったし、残念ながら失点をしてしまって追いつかれましたが、その後もいいプレーをするようにみんなが目標をもってプレーできたのは良かったと思います。

●DF岩下敬輔

(久しぶりのJ1での試合でしたが、うまく入れましたね)そうですね。今日は本当に結果で示すしかないと思っていたし、チームが勝っていない状況で流れを変えるしかないと思っていました。プロとしてやっていく中で結果を出すしかないというのは僕自身が思っていたことで違いをみせるしかなかったので、勝てて良かったです。結果にこだわってやる中で、たとえ相手と数的同数になってもジョン(金正也)と慌てずに対応しようねということは言っていて、声を掛け合いながらやれていた。いい関係でチャレンジ&カバーをしながら、僕が剥がされそうになったら、ジョンがカバーしてくれましたし、ジョンが剥がされそうになったら僕もカバーできたので、本当にいい感じでやれていたと思います。(ファウルをとられたとはいえチームのためのファウル、プレーも目立ちました)プロである以上、自分が体を張ったりというのは、駆け引きや勝負事の中で必要なことですから。自分に責任感を持ってガンバのためにやることが大事だと思っていました。裏に出すボールについても、前半は久しぶりの試合ということもあり、出し手である僕と受け手の選手のタイミングがあわないところもあったのですが、そこはずっと確認しながらやっていて、時間が経つにつれて呼吸の合うプレーができていたと思います。3点目も相手は9人になっていたけど、僕がダイレクトで右から左にハルにふったのも、局面を一度変えるだけでも全然違うと思ったからこそ。周りに使われたらハルは打開ができる選手ですしね。そういうことを考えても、入れていくのが大事だと思っていました。個人的にピッチに戻ってこれたのも良かったですが、今日は本当に結果が大事だと思っていた中で、勝つという結果を出せたのが何よりだと思います。

●MF遠藤保仁

(チームにとって貴重な追加点のところでした)退場者も出ていましたし決めると決めないのとでは全然違う展開になっていたと思うので決められて良かった。大概のGKが取れないコースだったと思う。自信ももって蹴りました。(チームとして、PKをこのスタジアムでなかなか決められていない状況があった。それを踏まえて何か考えたことはありましたか?)いや特にないですし、しっかり決めることだけを考えていました。(J1通算100ゴールについて)もちろん嬉しいし、そう多く成し遂げている選手もいないのでありがたいなとは思います。(節目のゴールをPKでとったことに対してご自身として感じられることは?)いや、特にはないです。流れの中からでもゴールはゴールですし、PKでとったということに関しては何もないです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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