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記録から記憶を作り出すスマートカメラ、Graava

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
スマホ並みのセンサーを備え、自動編集や映像の監視が行えるスマートカメラ。

Bruno Gregoryさんのスタートアップ、Graavaが製品を発表しました。彼の自転車事故の体験から、スマートなカメラが人々の生活をよくするのではないかと開発。2月の発売に向けて、予約を受付中です。

Graava

私の住むバークレーは急に標高が上がる丘が特徴的な地形で、サイクルスポーツも盛んです。Brunoさんも、バークレーの丘で自転車を乗っていましたが、あるとき不注意な運転をするドライバーにぶつかられ、自動車はそのまま逃げてしまいました。

しかしアクションカムをつけていたことから、その車を特定し、ドライバーを捕まえることができたそうです。その経験から、持ち歩いているカメラがもっと生活の役に立つのではないか、と着想し、スタートアップをしました。

Graavaは、スマートフォン並みのセンサーや通信機能を備えた、手の平サイズのかわいらしいアクションカメラです。800万画素ワイドのカメラは4Kタイムラプスビデオまで撮影でき、Wi-Fi、Bluetooth、GPSに加えて、光センサー、加速度センサー、ジャイロ、2つのマイクを備えています。

このカメラで撮影した後、ビデオの編集時間を決めると、ワンタッチでダイジェスト動画を作成できるのです。例えば、3時間のサイクリングを、指定した3分にまとめるのもワンタッチ。撮影したビデオを共有できる形にすることで、ビデオ編集の時間がない、という問題点を解決しています。

その秘密は、各種センサーを活用した、「記憶に残るシーン」の検出。映像・音声とともに記録されたセンサーデータや、ビデオの中の音声、動きなどのシーン検出などによって、重要度の高い箇所を選定することができます。Bluetoothで接続して、心拍センサーまで活用できる徹底ぶり。

スマートフォンやApple Watchからビデオの編集やモード切替が可能。
スマートフォンやApple Watchからビデオの編集やモード切替が可能。

人の記憶に残る要素を含むシーンを、録画されたビデオから検出して抽出する仕組みを備えたカメラです。もちろん、ヘルメットや自転車のハンドルにつけるだけでなく、家に据え置くことで防犯カメラや赤ちゃん・ペット向けにも利用でき、これらをスマートフォンのアプリからコントロールできます。

説明ビデオはこちらの通り。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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