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出掛ける前からジャズ気分:AQUAPIT 3rd アルバム『オランジュ』リリース・ツアー

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

5月31日(金) 開場17:30/開演 1st 19:00、2nd 21:00

会場:横浜MOTION BLUE YOKOHAMA

出演:金子雄太(オルガン)、小沼ようすけ(ギター)、大槻"KALTA"英宣(ドラム)

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Jジャズ・シーンの人気プレイヤー3人によるジャム・ユニットの3rdアルバム『オランジュ』リリース記念ライヴ

AQUAPIT|T5Jazz Records
AQUAPIT|T5Jazz Records

結成から16年。日本の、と言うよりも世界的なクラブ・ジャズのムーヴメントを先取りしてきたAQUAPIT(アクアピット)。

ボクが彼らを最初に目撃したのは、1stアルバム『ライヴ・アット・オニキス』がリリースされる直前の2000年ごろ。

オルガン・バンドというクラブ・ジャズを象徴するようなフォーマットのなかに、コンテンポラリー・ジャズのセンスとテクニックを詰め込んだ、世界でも類を見ない、そして比肩するものも見当たらないという、ユニークでスペシャルなバンドとして注目してきました。

それぞれが日本のジャズ界を代表する若手(そろそろ”中堅”と表現したほうがいいかもしれませんね)であるがゆえに、AQUAPITの活動を継続できない”危機”もありましたが、見事に復活。ファンを喜ばせてくれました。

16年の活動期間を経てもなお、彼らがこのバンドに興味をもち続け、アルバムのかたちにまでアイデアをまとめ上げることができたということは、オルガン/ギター/ドラムというバランスにまだまだジャズを生み出す可能性があるということ。

新世紀とともに発展し、復活を遂げた”クラブ・ジャズの老舗バンド”と呼べる彼らのステージ、きっとジャズの未来を占う際のヒントとなるサウンドが詰まっているに違いありません。

金子、小沼、大槻という、それぞれがリーダー・バンドを率いてJジャズ・シー ンで活躍する3人のプレイヤーから成るオルガン・トリオ“アクアピット”。2001年にアルバム『ライヴ・アット・オニキス』を発表し好評を博すも、それぞれの活動が多忙を極め、自然と活動は休止状態に。やがてそんな3人が小沼のライヴ・ツアーで再会、ステージ上で時間を共有したことでユニットの再開を決意。2011年には10年ぶりとなるニュー・アルバム『Aquapit』を発表し、35公演の全国ツアーを成功に収めたことも記憶に新しい。今回は前作から間を空けずに3rdアルバムの制作も完了。スタイリッシュでエネルギーに満ちた、オルガン・ ミュージックの進化形を見せてくれるに違いない。

出典:AQUAPIT 3rd Album "Orange" Release Tour

♪Dilemma AQUQPIT

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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