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出掛ける前からジャズ気分:tomoca『PURNAMA』リリースライブ with カミノサルサマ

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

6月23日(日) 開場16:00/開演17:00

会場:渋谷SARAVAH東京

出演:【カミノサルサマ】tomoca(オーボエ)、富樫春生(ピアノ)、Dj-Alah(Dj.SoundEffect)、トーク:久保田麻琴/春日聡/tomoca

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tomoca『PURNAMA』リリースライブ with カミノサルサマ@渋谷 SARAVAH東京

オーボエ界の異端児tomoca がカミノサルサマ・ユニットで、アジアの映像をバックにアジアの風景を歌います!

出典:tomoca『PURNAMA』リリースライブ with カミノサルサマ|SARAVAH東京

カミノサルサマ
カミノサルサマ

ジャズでは、ベニー・グッドマンやシドニー・べシェといったオリジネーターがいるせいか、クラリネットという楽器の存在感は大きいようです。ところが、同じ木管楽器なのにオーボエとなると、ジャズとの距離感は一気に広がってしまいます。ボクの記憶では、NHK交響楽団首席オーボエ奏者で指揮者としても活躍する茂木大輔が、山下洋輔主催のコンサートに“乱入”してアドリブを含むパートを演奏したということくらいしか思い浮かびません(ちなみに茂木大輔は大の山下洋輔フリークで有名です)。

クラリネットがシングル・リード、オーボエがダブル・リードという違いがあり、扱いの難易度を克服してわざわざジャズを演奏する意味を見出せないことも大きな障壁なのかもしれませんが、それを乗り越えて“オーボエならではのサウンド”をジャズに持ち込もうとしているのがtomocaです。

その存在を知ったのは、彼女が鴛淵禎祐とのユニットで制作した『Aqui』をリリースした2005年ごろのこと。ライヴに誘われて拝見すると、その繊細で美しい音色はもちろん、クラシック畑で研鑽を積んだからだけとは思えない柔軟な発想と豊かなイマジネーションを展開する彼女に、とても大きな将来性を感じました。

今回は、2009年リリースのソロ名義『Lotus』に続く第3弾『PURNAMA』の発売を記念するステージ。アジアを感じさせるサウンドと、映像やトークのコラボレーションが繰り広げられるプログラムになっているようです。

アルバム・タイトルの“PURNAMA”とは、インドネシア語で“満月”を意味するとか。奇しくも当日は月齢14.5の“満月”。こんな偶然もまた“新たなジャズの世界“への扉をtomocaの音楽が開けてくれる予兆なのかもしれません。

tomoca プロフィール

Oboe Player tomoca 

3歳よりオルガンを弾き始め、中学の吹奏楽部でジャンケンに負けてオーボエと出会う。桐朋学園大学在学中よりオーケストラ、室内楽等のクラシック活動を経た後、様々なミュージシャンと出会い、ジャズやインプロビゼーションを学び模索。2001年よりライブ活動をスタート。ジャズ・ポップス・民族系・コンテンポラリーと、ジャンルレスでのライブ、コンサート、レコーディング活動。スタジオミュージシャンとしては、映画、ドラマ、CM、さまざまなアーティストのアルバムに多数参加。近年はバリ島での製作、演奏活動も行う。2005年1stアルバム「Aqui」2009年Soloアルバム「Lotus」を発表。

出典:Profile|tomoca公式サイト

♪PURNAMA by tomoca

♪Oboe tomoca plays T-bird オーボエ

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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