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【ジャズ生】日芬混合のマルチ・ジャズを切り拓くトリオ|マルクス・ニーティネン・トリオ来日公演

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、フィンランドと日本のハイブリッドなピアノ・トリオ、マルクス・ニーティネン・トリオの公演。

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フィンランド共和国(漢字表記では芬蘭)は北ヨーロッパに位置し、西はスウェーデン、北はノルウェーに接する“北欧諸国”のひとつだ。

オーロラを観るために旅行者が訪れ、国民はサウナを愛し、サンタクロースがオフ・シーズンを過ごし、ムーミン一家が住んでいる…、そんな“幻想”のなかに存在する遠い国であることは否定しない。

ちなみに、フィンランドがあるのはスカンディナヴィア半島ではない。

ところが、この遠い国からやってきたピアニストと極東の日本のベーシスト&ドラマーが結成したトリオが、世界のジャスを変えようとしている。

マルクス・ニーティネンは1970年生まれ。ノルウェーの名門シベリウス・アカデミーでジャズをマスターしたのが2006年だから、だいぶ遅咲きと言えるだろう。本格的に世界を舞台に活動を始めたのはそのあとの2000年代後半のこと。2010年には来日も果たしている。

ベースの土村和史は2008年から、ドラムの嘉本信一郎は1996年からと言う深い北欧とのコネクションから生まれたこのトリオは、確かにこれまでの“北欧ジャズ”とも“Jジャズ”とも違う方向性を示しうるハイブリッドな可能を秘めている。

あるいはポスト・キース・ジャレットの可能性をどこまで広げることができるのか、というところが個人的な興味のポイント。

では、行ってきます!

●Markus Niittynen Trio Japan Tour 2016 公演概要

3月9日(水) 開場19:30/開演20:00

会場:新宿ピットイン(東京・新宿)

3月11日(金) 開場18:00/開演19:30

会場:モーション・ブルー・ヨコハマ(横浜・みなとみらい)

3月16日(水) 開場18:30/開演19:30

会場:ガールトーク(水戸)

出演:マルクス・ニーティネン(ピアノ)、嘉本信一郎(ドラム)、土村和史(ベース)

♪ Markus Niittynen Trio- Order Of The Day- Live At Motion Blue YOKOHAMA

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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