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2016年 プロ野球界の◯とX 人物編 大谷、ラミレス監督は◯ 、金本監督、鳥谷はX

豊浦彰太郎Baseball Writer
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

2016年もあと1日、昨年同様にプロ野球界を2回に分けて豊浦彰太郎流に◯とXで振り返ってみたい。まず今回は、人物の◯とXだ。

◯ 大谷翔平(日本ハム)

彼のプロ入り以降、ぼくはずっと「二刀流反対」を主張してきた。今でも基本的には変わりはないのだけれど、今季のスーパーパフォーマンスは完全にそれを超越していた。理性的には、メジャーを目指す彼のキャリアに二刀流はそれほど意味はなく、リスクのみを孕んでいたのは間違いないが、野球界の枠を超えた話題性の喚起やエンターテイメントの提供に関しては脱帽と言わざるを得ない。

◯ 山田 哲人(ヤクルト)

打率3割も30本塁打も、ひたすら努力を重ねる延長線上にある。しかし、盗塁はそうではない。確固たる意志がなければ30盗塁は達成できない。2年連続でトリプルスリーを成し遂げたということは、彼は単にスキルが秀でているだけでなく、目標を立てそれを達成するには日々なにをすべきかを理解する知性と、それを実行する意志の強さがあることを示している。毎日をとりあえずやり過ごしているサラリーマンは見習うべし。

◯ アレックス・ラミレス監督

いまだ、強制と脅迫、懲罰が中心の日本のスポーツ界にあって、自主性、励ましとリスペクトで最低限の結果(CS進出)を出した。最優秀監督賞は彼こそ相応しい。あいも変わらず優勝監督を選び続ける記者さんたちは反省を。ただし、営業サイドのプレッシャーに負けたか?最終戦で、三浦大輔を先発させ長いイニングを投げさせるという公式戦の尊厳を傷つける行為はXだった。

◯ 則本昂大(楽天)

2リーグ制では初の新人からの4年連続二桁勝利。両リーグナンバーワンの奪三振216も文句なし。

<訂正とお詫び>

則本投手の「2リーグ制では初の新人からの4年連続」は「開幕投手」であり「二桁勝利は」は過去前例があります。訂正してお詫び申し上げます。また、ご指摘いただいた方ありがとうございました。

◯ 糸井嘉男(オリックス)

35歳にしてキャリアハイとも言える成績を残したことに加え、ちゃんとFA宣言したこと。その結果、ビッグな契約を手にするという好例を示したのも◯。

X 金本知憲監督(阪神)

自分の望む成果を挙げなかった部下(藤浪晋太郎)を晒し者にして恥をかかせる、故障のリスクを負わせるという指導者として致命的な誤りを犯した。「アニキ」なのだから、しっかり選手を守ってあげて欲しい。

X 鳥谷敬(阪神)

もはや衰えは隠せず。連続試合出場は自らストップを申し出るべきだろう。

X 落合博満GM(中日)

本当は世間やメディアに言い返したいことがたくさんあったはず。主張したいチームの強化プランも持っていたのだと思う。でも、何も語らずは、「何も考えていません」と言っているようなもの。やはり、GMという言わばビジネスマン職には不向きだったのか。ならば、ユニフォーム組としての復帰を望みたい。

X 熊崎勝彦コミッショナー

野球賭博事件での矛盾に満ちた立ち振る舞いが、この人がどちらを向いて仕事をしているかを示していた。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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