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2015年の鉄人記録。フィルダーに続いてペンスの連続試合出場も途切れ、ロンゴリアが継続中のトップへ

宇根夏樹ベースボール・ライター

2014年5月17日、プリンス・フィルダー(テキサス・レンジャーズ)が続けていた先発出場と試合出場が547試合で途切れ、代わってハンター・ペンス(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が継続中の最長記録保持者となった。

ペンスは昨シーズン、チームの161試合目にスタメンを外れ――理由はポストシーズンに備えてエネルギーを充填するためだった――連続先発出場には331試合でピリオドを打ったが、この日も代打として試合に出て、翌日は試合開始から5回終了まで出場。連続出場を383試合まで伸ばした。

だが、ジャイアンツが今シーズンの開幕を4月6日に迎えるとともに、ペンスの連続出場はストップする。ペンスは3月5日のエキシビション・ゲーム(オープン戦)で、左腕に死球を受けて骨折。復帰までは6~8週間かかる。

2014年はペンスの他に、エバン・ロンゴリア(タンパベイ・レイズ)、フレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)、アルシデス・エスコバー(カンザスシティ・ロイヤルズ)が162試合に出場した。ペンスと違い、3人とも全試合のスターティング・ラインナップに名を連ねた。

3人のなかでは、連続先発出場も連続試合出場も、ロンゴリアの170試合と242試合が最も長い。フリーマンはどちらも168試合、エスコバーはともに162試合だ。ロンゴリアは今シーズン、開幕から141試合目まで出場を続ければ、ペンスの383試合連続出場に並ぶ。さらに、今シーズンの162試合に加え、来シーズンの143試合目まで出続ければ、フィルダーの547試合連続出場に達する。

連続出場はプラスの面ばかりではない。記録が長くなってくると、継続のために、プレーの内容よりも出場そのものが目的となってしまう危険性も孕む。この点では、昨シーズン終盤に連続先発出場を打ち切ったペンスの判断は正しかったと思う。

とはいえ、故障がちで欠場が多ければ、たとえ実力があっても一流選手にはなり得ない。「無事是名馬」はメジャーリーガーにも当てはまる。

ちなみに、500試合以上の連続出場記録を持つ現役選手は、フィルダーとアレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)の2人だけだ。ロドリゲスは2000年から2003年にかけて、シアトル・マリナーズとレンジャーズで546試合連続出場を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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