Yahoo!ニュース

レッドソックスに続き、パペルボンがフィリーズでも最多セーブ記録保持者に。さらに、3球団目の可能性も

宇根夏樹ベースボール・ライター

ジョナサン・パペルボン(フィラデルフィア・フィリーズ)がセーブのフランチャイズ・レコード(球団記録)を打ち立てた。5月13日のピッツバーグ・パイレーツ戦でセーブを挙げ、フィリーズでの通算セーブを113として、ホゼ・メサを追い抜いた。

パペルボンはボストン・レッドソックス時代に219セーブを記録しており、こちらもフランチャイズ・レコードだ。2球団でセーブの最多記録を持つのは、パペルボンの他にはロブ・ネンしかいない。ネンはフロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)で108セーブ、サンフランシスコ・ジャイアンツで206セーブを挙げた。

セーブのフランチャイズ・レコードは、割と塗り替えられやすい。ニューヨーク・ヤンキースの652セーブ(マリアーノ・リベラ)とサンディエゴ・パドレスの552セーブ(トレバー・ホフマン)は別格ながら、16球団は200セーブに満たず、その半分の8球団は150セーブ未満だ。アリゾナ・ダイヤモンドバックスに至っては3桁にも届かず、ホゼ・バルバーディの98セーブが最も多い。佐々木主浩はメジャーリーグで4年間しか投げていないが、その間に挙げた129セーブは、今もシアトル・マリナーズの最多記録として残っている。

また、他の多くのスタッツと同様に、セーブもその投手の実力や投球内容を正確に示してはいない。ジョー・ボロウスキは2007年にア・リーグ最多の45セーブを挙げたが、防御率は5.07と高く、セーブ失敗もリーグ最多の8度を数えた。パペルボンが挙げたフィリーズ113セーブ目も、味方の好守がなければ危うかった。ファウルフライを捕ったライトのジェフ・フランコーアが、正確な送球で三塁走者をアウトにしなければ、併殺による試合終了の代わりに同点となり、セーブ失敗が記録されていた。

とはいえ、クローザーとして長年投げ続けるのは、並大抵のことではない、意外にも、パペルボンは一度もセーブ王を獲得していないが、昨シーズンまで9年にわたってクローザーを務めてきた。2つのフランチャイズ・レコードはその証にほかならない。今シーズンが終わるまでには、4月23日に到達したフランシスコ・ロドリゲス(ミルウォーキー・ブルワーズ)に次ぐ、史上11人目の350セーブに手が届きそうだ。

パペルボンがフィリーズと交わしている4年5000万ドルの契約は今シーズンまでだが、そこにはオプションが付いていて、今シーズンに48完了を記録すると、来シーズンの1300万ドルが保証される。だが、スプリング・トレーニング中には、ブルワーズやトロント・ブルージェイズへのトレードも噂されていた。今後、トレードの話がまとまった場合、パペルボンは17球団に対してのトレード拒否権を持っているが、これを行使することはないだろう。パペルボンはかねてより、低迷期――あるいは見通しの不透明な再建期――に入ったフィリーズへの不満を口にしている。

パペルボンは34歳。ここから300セーブを積み上げるのは難しいが、150セーブなら十分に可能な数字だ。どの球団へ移籍するかにもよるが、レッドソックスとフィリーズに続いて、パペルボンが3球団目の最多セーブ記録に名前を刻むことも、あり得ない話ではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事