Yahoo!ニュース

インディアンスではドローンが飛行するだけでなく、打たれたホームランは飛行機の横を飛んでいく

宇根夏樹ベースボール・ライター

5月21日、9回裏にブライアン・ショウ(クリーブランド・インディアンス)がタイラー・フラワーズ(シカゴ・ホワイトソックス)に打たれた球は、大きな弧を描きながら飛んでゆき、レフトスタンドのほぼ最後列のシートに当たった。438フィート(約133.5m)の飛距離は、U.S.セルラー・フィールドの今シーズン最長となった。

それから数時間後、インディアンスのメンバーがクリーブランドへ戻る飛行機のなかで、アナウンスが流れた。「アテンション、アテンション。右の窓をご覧ください。ボールが飛んでいくのが見えます」

声の主はジェイソン・キプニスだ。本塁打を浴びたチームメイトをからかうのは悪趣味だと思うかもしれないが、この一打は勝敗には影響せず、インディアンスは5対2で勝ち、連勝を3に伸ばした。まだ負け越しているものの、5月15日から始まったアウェー7連戦で6勝を挙げてホームへ。キプニスのジョークは、チームが良いムードにあることの証だろう。

数年前であれば、これは内輪だけの話だったかもしれない。広く知られるようになったのは、キプニスがインスタグラムに、機内でアナウンスをしている映像――撮影者は不明――をアップしたからだ。

インスタグラムではないが、インディアンスでは、ツイッターで話題を呼んだ選手もいる。トレバー・バウアーは2月19日に、自ら組み立てたというドローンで撮った写真2枚をアップし、「これから6週間、ホームとなるインディアンスのキャンプだ。早くも訪れて応援してくれているファンに感謝」と書いた。

バウアーはMLB機構から、ドローンを飛ばさないように言われた。ただ、バウアーはツイッターに「ドローンを本当に禁止するなら、少なくとも、そのルールの名前は俺にちなんでくれるんだろ?」と書き込み、他に、「俺の新しいドローンのデザイン」とキャプションを付けたステルスの写真や、檻に入ったドローンの写真もアップしている。

5月22日、ホームへ戻ったインディアンスは、7対3でシンシナティ・レッズを下した。この試合が終わった時点で、キプニスは打率.337、4本塁打、OPS.909、バウアーは8試合に先発して3勝1敗、防御率3.31、奪三振率9.37。ショウもチーム最多の21試合に登板して、防御率3.29、5ホールドを記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事