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ミズーリ州の2チームが席巻【オールスター・ゲーム2015ファン投票・第1回中間発表】

宇根夏樹ベースボール・ライター

今年のオールスター・ゲームは、7月14日にシンシナティ・レッズの本拠地、グレートアメリカン・ボールパークで行われる。先発出場する野手を決めるファン投票は4月29日に始まっていて、5月26日にア・リーグ、27日にナ・リーグの第1回中間得票が発表された。

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ア・リーグはカンザスシティ・ロイヤルズの選手が目につく。両リーグ最多の票を得ている捕手のサルバドール・ぺレスをはじめ、三遊間コンビを組むマイク・ムスタカスアルシデス・エスコバー、センターのロレンゾ・ケインもポジション最多だ。外野手はケインだけでなく、レフトのアレックス・ゴードンも3位にランクインしている(外野手は各リーグ3選手がファン投票で選ばれる)。残る一塁手、二塁手、DHも、ロイヤルズのエリック・ホズマーオマー・インファンテケンドリス・モラレスがそれぞれ2位につけている。

これは、ロイヤルズが前年に29年ぶりのポストシーズン進出とリーグ優勝を果たし、今シーズンも好調であることが大きいようだ。上に挙げた8選手とも、昨年のファン投票ではポジション5位以内(外野手は15位以内)にさえ入っておらず、今シーズンの個人成績を見ても、必ずしもそのポジションのベストとは言い難い。

ロイヤルズほどではないものの、ナ・リーグではセントルイス・カーディナルスの選手が3ポジションでトップに立ち、レフトを守るマット・ホリデイも外野手の2位につけている。こちらはもともと人気のあるチームで、今シーズンも5年連続となるポストシーズン進出に向け、快調に走っている。

ただ、ホリデイは外野手の3位までに入りそうだが、遊撃手のジョニー・ペラルタと捕手のヤディアー・モリーナは、2位との差はそれほど開いていない。好成績を残し、2位に倍近い差をつけている三塁手のマット・カーペンターにしても、安泰とは限らない。

カーペンターに次いで三塁手の2位にいるクリス・ブライアント(シカゴ・カブス)は、鳴り物入りで登場した大物ルーキーだ。4月17日のメジャーデビューから20試合は本塁打ゼロ、OPS(出塁率+長打率).744だったが、初ホームランを放った5月9日以降は17試合で7本塁打、OPS.1.045とペースを上げ、5月26日には463フィート(約141.1m)の本塁打も叩き込んだ。アーチ量産とともに、ブライアントは票も伸ばしていきそうだ。カーディナルスと同様、カブスも人気は高い。

一方、他のチームには、好成績を残しながらも票が集まっていない選手もいる。例えば、クリーブランド・インディアンスの二塁手、ジェイソン・キプニスは候補者リストに名前があり、5月27日時点でリーグ3位の打率.342、4位の出塁率.412、10位の長打率.537、7位のOPS.949――順位はいずれも二塁手限定ではなくリーグ全体――を残しているにもかかわらず、得票は二塁手の5位にも入っていない。

また、ミネソタ・ツインズとタンパベイ・レイズ、フィラデルフィア・フィリーズ、ミルウォーキー・ブルワーズの選手は、今回のランキングに一人もいない。ちなみに、2014年にファン投票で選ばれ、今回の中間得票に名前がないのは6人。昨シーズン限りで引退したデレク・ジーターと今シーズン出場なしのマット・ウィーターズ(ボルティモア・オリオールズ)の他には、ロビンソン・カノー(シアトル・マリナーズ)、チェイス・アトリー(フィリーズ)、アラミス・ラミレス(ブルワーズ)、カルロス・ゴメス(ブルワーズ)が見当たらない。

昨年の最多得票は、ホゼ・バティスタ(トロント・ブルージェイズ)の446万0245票だった。これまでのファン投票は、オンラインと各球場に置いてある投票用紙の2本立てだったが、今回はオンラインのみ。35票まで投じることができ、アメリカ東部時間の7月2日午後11時59分が締め切りとなっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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