本塁打のフランチャイズ・レコードを持つ現役メジャーリーガーは3人。今シーズンはそこに2人が加わるかも
昨シーズンは、ジャンカルロ・スタントン(マイアミ・マーリンズ)とライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブルワーズ)が通算本塁打のフランチャイズ・レコード(球団記録)を塗り替えた。今シーズンの開幕時点では、スタントン(181本)とブラウン(255本)、エバン・ロンゴリア(タンパベイ・レイズ/205本)の現役メジャーリーガー3人が、それぞれの球団トップに立っている。今シーズンはそこに、デビッド・ライト(ニューヨーク・メッツ)とライアン・ジマーマン(ワシントン・ナショナルズ)が加わるかもしれない。ライトはあと18本で252本のダリル・ストロベリーを追い抜く。ジマーマンは35本を積み重ねれば、モントリオール・エクスポズ時代にブラディミール・ゲレーロが樹立した、234本のフランチャイズ・レコードを超える。
ライトとジマーマンは、スタントン、ブラウン、ロンゴリアの3人と同じく、一度も移籍したことがない。5人のなかで最もキャリアの長いライトは、得点(931)、安打(1746)、二塁打(382)、打点(956)、四球(735)、死球(45)、三振(1237)、犠飛(65)などのフランチャイズ・レコードを保持している。ここ2年のライトはシーズン1ケタ本塁打だが、2013年は18本を記録していて、20本以上のシーズンは6度を数える。33歳で迎える今シーズン、健康さえ維持できればストロベリー超えは不可能ではない。一方、死球はルーカス・ドゥーダがライトまで1死球に迫っており、こちらは抜きつ抜かれつもあり得る。ただ、ことが死球だけに、2人とも怪我のないことを祈りたい。
ジマーマンはライトの2歳下だが、今シーズン中にゲレーロを抜くのは難しそうだ。シーズン30本塁打以上は、2009年の33本だけしかない。その代わり、来シーズンは記録ラッシュが期待できる。本塁打に加え、ティム・ウォラックが持つ、安打(1694)、二塁打(360)、打点(905)のフランチャイズ・レコードも塗り替えるはずだ。更新までは、283安打、41二塁打、123打点。2シーズンあれば十分だろう。今シーズンは、27三振を喫したところで、ウォラックの1009三振を追い越す。
他にも、フランチャイズ・レコードに迫っている選手はいる。
今シーズン限りで引退するデビッド・オティーズ(ボストン・レッドソックス)が打ち立てるフランチャイズ・レコードは、敬遠四球のみとなりそうだ。レッドソックスの最多本塁打はテッド・ウィリアムズの521本で、オティーズとは70本以上の差がある。だが、オティーズはあと19本塁打を加えると、ミネソタ・ツインズ時代の58本と合わせて522本となり、メジャーリーグ歴代19位の3人、テッド、ウィリー・マッコビー、フランク・トーマスを追い抜く。