Yahoo!ニュース

ブルワーズが達成した「全イニング得点」は史上19度目のレアな記録

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・カーター(ミルウォーキー・ブルワーズ)Jun 11, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

8月11日の試合中、ミルウォーキー・ブルワーズは「今日のブルワーズはスコアキーパーたちを忙しくさせている。これまでのところ全イニングで得点を挙げている」とツイートした。そこには、客席でスコアをつけている人の写真もアップされていて、それを見る限りでは、7回裏が始まったところらしい。ブルワーズはその後も得点を続け、全イニング得点を達成した。

この試合はブルワーズのホームで行われ、9回表が終わった時点でブルワーズが11対3とリードしていたため、9回裏は行われなかった。全9イニング得点となると、1999年5月5日にコロラド・ロッキーズがアウェーで成し遂げたのが最後だ。もっとも、全8イニングであっても珍しいことに変わりはなく、ブルワーズのゲーム・ノーツによると、全イニングで得点を挙げたのは――それが8イニングであっても9イニングでも――史上19度目(1900年以降)だという。ブルワーズは創設48年目だが、これまでは全イニング得点も全イニング失点もなかった。

画像

ただ、1998年9月14日にカンザスシティ・ロイヤルズが達成し、19シーズンにわたる空白にピリオドを打って以降、全イニング得点は同じく19シーズンで6度を数える。そのうちの2試合に出場した選手は5人おり、ラリー・ウォーカートッド・ヘルトンジョニー・デーモンは2度とも達成したチーム、リッキー・ヘンダーソンは2試合とも達成されたチームの選手として出場した。残るジェイソン・ジアンビは、達成したチームと達成されたチームが1試合ずつだった。

なお、現役選手のなかに、全イニング得点/失点の試合に2度出場した選手はいない。カルロス・ベルトラン(テキサス・レンジャーズ)は1998年9月14日にロイヤルズからメジャーデビューし――この試合では4人がデビューしたが、今もプレーしているのはベルトランだけだ――2度ホームインして全イニング得点に携わったが、その後は全イニング失点とも無縁のまま、2400試合以上に出場している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事