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3チームがワイルドカードに並んでレギュラーシーズンを終えたら? ポストシーズン進出は2チーム

宇根夏樹ベースボール・ライター
左からA.パガーン、D.スパン、H.ペンス(ジャイアンツ)Sep 3, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

どちらのリーグも、地区優勝チームはすべて決まったが、ワイルドカード争いはまだもつれている。

ポストシーズンには、各リーグから5チームが出場する。地区優勝の3チームに加え、その3チームを除いた12チームのなかで勝率上位の2チームが、ワイルドカードを手にする。

12チーム中2チームが勝率1位に並んだ場合は、その両チームがワイルドカードとなる。勝率1位が1チームで、2位に2チームが並んだ場合は、2位の両チームがポストシーズンの前に「ワンゲーム・プレーオフ」を行い、勝ったチームがワイルドカードの2枠目を得る。

ただ、ナ・リーグは現在、ニューヨーク・メッツサンフランシスコ・ジャイアンツセントルイス・カーディナルスの3チームに、ワイルドカードの可能性がある。それぞれの直接対決はすでになく、3チームが162試合を終えて、85勝77敗あるいは86勝76敗で並んでもおかしくない。

その場合は「カーディナルス対メッツ」と「1試合目に敗れたチーム対ジャイアンツ」が行われ、それぞれの勝者がワイルドカードをゲットする。カーディナルスとメッツは1敗しても次に勝てばいいが、ジャイアンツは1敗したところで終わる。これは、ジャイアンツが両チームとの直接対決でそれぞれ3勝4敗と負け越しているためだ。

一方、ア・リーグでは、トロント・ブルージェイズボルティモア・オリオールズデトロイト・タイガースシアトル・マリナーズの4チームが、87勝75敗か88勝74敗で並ぶ可能性を持つ。こちらも直接対決は済んでいる。

4チームが同率1位の場合は、2チームずつに分かれて試合を行い、それぞれの勝者がワイルドカードを得る。その他に「3チームが同率1位」「3チームが同率2位」「2チームが同率2位」の場合も、ワイルドカードを決めるための試合が必要だ。

もっとも、複数のチームがポストシーズン出場枠に並び、どちらが出場できるかを決めなければならなかったケースにおいて、3チームもしくはそれ以上のチームが並んだことは過去に一度もない。さて、今シーズンは?

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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