最下位チームからMVPが選ばれる!? ブレーブスのスラッガーが受賞すれば史上3人目の椿事
アトランタ・ブレーブスは、ターナー・フィールド最後のシーズンを地区最下位で終えようとしている。
けれども、暗い話題ばかりではない。フレディ・フリーマンは8月24日から9月28日にかけて、30試合続けてヒットを打った。これは、ジャッキー・ブラッドリーJr.(ボストン・レッドソックス)の29試合連続安打を上回り、今シーズンの最長記録となった。それとともに、フリーマンは46試合連続出塁とし、こちらでもジェイソン・ワース(ワシントン・ナショナルズ)が持つ、今シーズンの最長記録に並んだ。
9月29日は4打席とも出塁できず、どちらのストリークもそれ以上は伸ばせなかったが、フリーマンはもう一つの「30」である33本塁打と併せ、史上9人目の選手となった。イライアス・スポーツ・ビューローによると、同じシーズンに30本塁打以上と30試合以上の連続安打を記録した選手は、これまで8人しかいなかったという。ロジャース・ホーンズビー(1922年)、ジョー・ディマジオ(1941年)、ノマー・ガルシアパーラ(1997年)、ブラディミール・ゲレーロ(1999年)、アルバート・プーホルス(2003年)、チェイス・アトリー(2006年)、ライアン・ジマーマン(2009年)、ダン・アグラ(2011年)がそうだ。フリーマンは7シーズンで通算20盗塁にも達しておらず、今後も30本塁打&30盗塁の「30-30クラブ」に入会することはなさそうだが、30-30は延べ60人が達成しているので、レア度としては30本塁打&30試合連続安打の方が高い。
また、フリーマンは史上3人目の「地区最下位チームから選ばれたMVP」となってもおかしくない成績を残している。打率.306はリーグ10位、出塁率.404は4位、長打率.572は2位にランクインしていて、他にスラッシュラインの3部門とも10位以内はジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)とダニエル・マーフィー(ナショナルズ)しかおらず、ボトーとマーフィーは30本塁打に届いていない。加えて、フリーマンは5位タイの33本塁打と2位タイの43二塁打を打っており、82長打はリーグで最も多い。
MVPの呼び声が高いクリス・ブライアント(シカゴ・カブス)は、フリーマンより6本多い本塁打を放っていて、101打点はフリーマンの88打点に大差をつけているが、スラッシュライン(.293/.387/.560)の3部門だけでなく、二塁打(35本)と長打(77本)でもフリーマンに遅れをとっている。
ただ、フリーマンが一塁手であるのに対し、ブライアントは三塁をメインに、レフトとライト、わずかとはいえ一塁、センター、遊撃も守っている。ブレーブスは地区最下位にいるが、カブスは100勝以上している。今シーズン、カブスに続いて100勝に届く可能性のあるチームは存在しない。
なお、1987年に地区最下位のチームからMVPに選ばれたアンドレ・ドーソンは、ポジションこそライトだが、ブライアントと同じカブスにいた。もう1人は、2003年にテキサス・レンジャーズのアレックス・ロドリゲスが受賞している。