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40代投手が2人揃うローテーションが誕生。合計年齢は85歳。どちらもサイ・ヤング賞の受賞歴あり

宇根夏樹ベースボール・ライター
バートロ・コローン Aug 20, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

アトランタ・ブレーブスはこのオフ、FAになっていた40代の2投手と契約した。42歳のR.A.ディッキーに続き、43歳のバートロ・コローンもチームに迎え入れた。いずれも1年契約で、ディッキーは800万ドル(球団オプション1年)、コローンは1250万ドル。2人とも来シーズンのローテーション入りが予定されている。

同じチームで40歳以上の2投手が先発したのは、2009年のボストン・レッドソックスが最後だ。ティム・ウェイクフィールドが21先発、ジョン・スモルツは8先発した。ただ、先発試合の数からわかるとおり、彼らがローテーションに揃った期間は短かった。スモルツのシーズン初登板は6月下旬と遅く、しかも、8月半ばに解雇された(その後、セントルイス・カーディナルスで7先発した)。

ともに40歳以上で規定投球回をクリアした最後のチームメイトは、2003年にニューヨーク・ヤンキースで投げたロジャー・クレメンスデビッド・ウェルズだ(シーズン途中に移籍した投手は除く)。開幕時に40歳だったクレメンスは8月に41歳を迎え、ウェルズは5月に40歳となった。さらに、開幕時の40代となると、1990年にテキサス・レンジャーズが擁した、43歳のノーラン・ライアンと42歳のチャーリー・ハフまで遡る。2003年のクレメンスとウェルズも、1990年のライアンとハフも、それぞれ2人揃って200イニング以上を投げた。

ディッキーとコローンはどちらも、2016年に規定投球回をクリアした。トロント・ブルージェイズで投げたディッキーは169.2イニングながら、前年までは200イニング以上を5年続けていた。コローンはニューヨーク・メッツのユニフォームを着て、190イニング以上を4年連続に伸ばした。2年前の2014年には、キャリア8度目の200イニング以上を記録している。

合わせて85歳のディッキーとコローンが、合計400イニング以上を投げる――。そうなってもおかしくはないし、その実現を願いたい。

また、コローンが12年ぶりにサイ・ヤング賞を受賞することはないだろうが、ディッキーはナックルボーラーだけに可能性はある。サイ・ヤング賞に選ばれた2012年も、37歳と若くはなかった。ちなみに、受賞者の最高齢は42歳。クレメンスが2004年に7度目の栄誉を手にした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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