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オールWBCチームに2度選ばれたのは松坂大輔だけ。今回は10選手が選出2度目の可能性あり

宇根夏樹ベースボール・ライター
中央がカノー、右がレイエス。バナナを持つのはロドニー MAR.19, 2013(写真:ロイター/アフロ)

オールWBCチームには、12人が選ばれる(日本ではベストナインと呼ぶことが多いようだ)。内訳は、外野手と投手が3人ずつ、捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、DHがそれぞれ1人だ。過去3度の延べ36人中、選出2度は松坂大輔(現・福岡ソフトバンク・ホークス)しかいない。松坂は2006年と2009年に選ばれた。

他の34人を見ると、そのうち10人が今回のロースターに入っている(松坂はいない)。半数はドミニカ共和国で、他はプエルトリコが2人、日本、韓国、キューバが1人ずつだ。

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ロビンソン・カノー(現シアトル・マリナーズ)の場合、オールWBCチームのみならず、シリーズMVPの受賞回数でも、松坂に並ぶ可能性を持つ。そのチャンスはありそうだ。昨シーズンは、打率.298、39本塁打、103打点、OPS.882の打撃成績に、二塁手3位タイの守備防御点(DRS)+11も記録した。また、ドミニカ共和国の内野手7人のうち、昨シーズン、メジャーリーグでレギュラーとして二塁を守ったのはカノーだけだ。

オールWBCチームは、決勝ラウンド進出チームからの選出が多く、2006年と2013年は10人(83.3%)、2009年も9人(75.0%)に上る。ただ、1次ラウンド敗退チームからも皆無ではなく、2013年の外野手部門には、カナダのマイケル・ソーンダース(現フィラデルフィア・フィリーズ)が入った。ソーンダースは3試合すべてに「5番ライト」として出場し、打率.727(11打数8安打)、1本塁打、3二塁打、7打点を記録した。

ソーンダースは、プールDのMVPも受賞した。2006年と2009年はなかったと思うが、2013年は1次ラウンドでも2次ラウンドでも、各プールごとにMVPが選ばれた。シリーズMVPのカノーは、1次ラウンドのプールCと2次ラウンドのプール2に続く、トリプル受賞となった。

なお、ソーンダースとカノー以外のプールMVPは、時期を問わず、日本プロ野球でプレーしている。1次ラウンドでは、キューバのアルフレド・デスパイネ(現・福岡ソフトバンク)がプールA、台湾の陽岱鋼(現・読売ジャイアンツ)がプールB、2次ラウンドのプール1では、日本の井端弘和(現・読売/内野守備走塁コーチ)が受賞した。井端はオールWBCチームのDHにも選ばれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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