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WBC決勝は、アメリカもプエルトリコも際立った特徴を持つ投手が先発マウンドへ

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーカス・ストローマン Mar 11, 2017(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

WBC決勝の先発マウンドに、アメリカはマーカス・ストローマン(トロント・ブルージェイズ)、プエルトリコはセス・ルーゴ(ニューヨーク・メッツ)を立てる。

25歳のストローマンは、今シーズンがメジャーリーグ4年目となる。27歳のルーゴは、昨年7月にメジャーデビューした。2人とも、まだスーパースターではなく、そうなれるかどうかも(特にルーゴは)わからないが、それぞれに際立った特徴を持つ。

ファングラフスのデータによれば、ストローマンが昨シーズンに記録したゴロ率60.1%は、規定投球回以上の投手のなかで最も高かった。GB/FB(ゴロ/フライ)2.95に加え、MLB.comのスタッツにあるGO/AO(ゴロアウト/飛球アウト)2.40もトップに位置した。

一方、スタットキャストによると、ルーゴが昨シーズンに投げたカーブの回転は平均3318rpm(回転/分)だった。こちらは、カーブを100球以上投げた投手の最高値だ(MLB平均は2386rpm)。スピン量の多いルーゴのカーブは、グイッと縦に落ちる。

実は、彼らは2次ラウンドでも先発として投げ合っている。この時はストローマンが4.2回を投げて4失点(すべて初回)で敗戦投手となり、勝利投手のルーゴも、6回途中に降板するまでに3点を失った。試合は6対5でプエルトリコが勝利を収めた。

決勝では、どちらが勝つにせよ「最もゴロを打たせる投手」と「最もスピンの効いたカーブを投げる投手」が揃って本領を発揮し、好投してくれることを期待したい。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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