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WBCの通算記録。松坂大輔の先発登板と勝利、奪三振は今も最多。本塁打はデスパイネがセペダを追い抜く

宇根夏樹ベースボール・ライター
松坂大輔 MARCH 22, 2009(写真:アフロスポーツ)

松坂大輔(福岡ソフトバンク・ホークス)は2006年と2009年のWBCに出場し、計6先発して27.2回を投げ、23三振を奪って6勝を挙げた。これらはすべて、今年のWBCが始まるまで通算最多記録だった。

今大会が終わっても、松坂の白星は2位より倍も多く、奪三振も1位のままだ(予選を含めると、イスラエルのジョシュ・ザイドが24奪三振で松坂を上回る)。先発登板はドミニカ共和国のエディンソン・ボルケス(マイアミ・マーリンズ)に並ばれたものの、こちらも最多であることに変わりはない。

イニングは、オランダのディエゴマー・マークウェルが3登板で計8.2回を投げ、通算28.0回として松坂を追い抜いた。マークウェルは4大会続けて出場した。

また、ドミニカ共和国のフェルナンド・ロドニー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、セーブに加え、登板でもトップに立った。今大会はジェーリス・ファミリア(ニューヨーク・メッツ)がクローザーを務め、ロドニーがセーブを挙げることはなかったが、3度マウンドに上がった。過去3大会で計13登板していたプエルトリコのフェルナンド・カブレラは、今大会には出場しなかった。

打者では、キューバのアルフレド・デスパイネ(福岡ソフトバンク)が3本塁打を放って通算7本とし、同じくキューバのフレデリク・セペダが持っていた6本塁打の最多記録を塗り替えた。セペダは4大会連続の出場ながら、今大会はシングルヒット1本に終わった。

それでも、セペダが4大会で記録した32安打、23打点、19得点はいずれも最多記録だ。8二塁打もカナダのジャスティン・モアノーと並ぶ。ちなみに、今大会のモアノーは11打数0安打だった。

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西岡剛(阪神タイガース)とイチロー(マーリンズ)、アメリカのジミー・ロリンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が保持する通算5盗塁の最多記録も、更新されなかった。今大会では、WBCに初出場したプエルトリコのハビア・バイエズ(シカゴ・カブス)が、2次ラウンドのアメリカ戦で3盗塁、準決勝のオランダ戦で1盗塁を決め、失敗は一度もなかったが、決勝のアメリカ戦では塁に出ることすらできなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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