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冬の電車は暖房いらない

山口浩駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授

電車の冷暖房に対する考えというのは人によってだいぶちがうだろうから、別に自分が絶対正しいとか主張するものでもないが、共感してくれる人はそこそこいるんじゃないかと思うので書いてみる。

冬の電車って、暖房いらないんじゃないか?

いや、いらない、とまで言い切るとやや強いかもしれないが、もっと弱めていいんじゃないか、ぐらいだったらどうだろう。

ウォームビズということばは2005年ぐらいからあるらしい。私も2005年ごろから、こんなことを書いてた。

「「クールビズ」の経済効果だってさ」(2005年7月9日)

ここまでやるならいっそのこと、さらに押し進めて、ぜひ「冬の重装」をその経済効果の分析とともに提唱してもらいたい。「夏の軽装」があるのだ。「冬の重装」もあって当然ではないか。

家では厚着」(2007年11月16日)

夏に冷房がきついとさんざん文句をいわれた方々、よもや冬は寒いから暖房ガンガン、なんてことはないよね?暑さ対策と比べて寒さ対策は圧倒的に簡単だ。厚着をするだけでいい。もちろんご家庭でも。外を歩き回るときは運動してるからかえって薄着でよくて、家の中ではじっとしてることも多いのでかえって寒かったりする。むしろ家の中でこそ厚着、というくらいでいいのかもしれない。

というわけで家ではけっこうな厚着をしてるわけだが、外出時はそれほどでもない。屋外では歩いてるし、そもそも東京はそれほど寒い場所ではないし、公共交通機関が発達して駅とかまでそれほど遠くないし。地方だと家出たらすぐ車でドアツードア、みたいな場所も多いだろうから、よほど寒い土地でなければ、厚着の必要性は低いかもしれない。

もちろん別に薄着をしてるわけじゃないので、それなりに着込んではいる。で、その状態で電車とかに乗るとどうなるか。

汗だらだら、頭はぼーっとして、下手すると気分が悪くなるわけだ。そういう方は他にもけっこういるのではないかと思う。混雑しているときはもちろんそうだが、むしろあまり混んでない時間帯の方が気になる。特に立ってると、頭のあたりの気温が足元とかなりちがうのを実感するのだ。暖気はいすの下から出てくるから、座ってる人は足元が暖かく(熱いこともある)なるわけだが、立ってる人の足元まではあまり届かない。対流で上に上がっていって、立ってる人の頭のあたりに固まる。で、頭をもわーっとさせる結果になる。

前にも書いたが、夏に涼しく過ごすより、冬に暖かく過ごす方がはるかに簡単なわけで、実際私たちはたいてい、冬の外出時にはそれなりに暖かくすごせる程度の服装をしている。その格好で、暖房をガンガンつけてる列車に乗ったら暑いに決まってるではないか。暑ければ脱げばいいというご意見もあろうが、手に持たなければならないのは荷物もあったりするからたいへんだし、もともと暖かい服装をしているのだからむだだし、第一エコじゃない。

弱冷房車があるんだから弱暖房車もあればいいのに、という話はたまに聞くが、上記のとおり、暖気は冷房とはちがうしくみっぽい。暖房を弱めるという設定ができるのかどうかはよくわからない。もしできないというなら、いっそスイッチを切ってしまうといった対応をしてもいいのではないかと思う。どうせ人が乗ってるんだからそんなに寒くはならないんじゃないかな。全車両とはいわない。たいていの電車では、弱冷房車は1両だけ設定してるように思う。寒いのが苦手な人はそのくらいの割合だとするなら、編成の中で1両だけ暖房をつけた車両を設定する、ぐらいでいいんじゃなかろうか。

まあ、さまざまなご意見があろうことは承知している。議論があってしかるべきだと思うので、そのきっかけになったらいいなと思う。

駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授

専門は経営学。研究テーマは「お金・法・情報の技術の新たな融合」。趣味は「おもしろがる」。

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