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「誤解されやすい人」にならない2つのポイント

横山信弘経営コラムニスト

他人に「誤解」される2つのメカニズムと2つの対策で、誤解は、情報を受け取る側の認知能力に大きくかかわっていると書きました。「選択的認知」「認知バイアス」が働くと、どうしても誤解が生まれやすくなるものです。しかし情報を伝える側も、誤解を避けるうえで努力できることが2つあります。

● 誤解されにくい発言をする(点)

● 誤解されにくい人物となる(線)

たとえば、

・お客様相手のプレゼンテーション

・お店やホームページなどでの商品販売

・宣伝広告などのキャッチコピー

……といったシチュエーションでは、なるべく誤解されにくい言葉の選び方をしたほうが賢明でしょう。その時の「点」での接点しかないからです。後で挽回できないので気を付けたいですね。ちなみに「伝える側」の言葉が稚拙で、「受け取る側」の認知能力が低いと、双方が理解し合える確率はかなり低くなるでしょう。

いっぽう、

・親子、夫婦

・上司と部下

・ブログオーナーとブログファン

……といった関係では、日ごろの行いが重要です。

■ 誤解されやすい行動

■ 誤解されやすい発言

を常日頃から続けていれば、たとえ言葉の選び方を気を付けても、誤解されてしまう可能性は高まります。このケースは「点」ではなく「線」で考えるべきす。

たとえば、「若いうちは徹夜すればするほど仕事ができるようになる」「毎日定時で帰るなんて夢のようなことを考えるな」「K君は休みの日でもオフィスに来るようになってきた。よく頑張ってると思う」という発言を繰り返す課長がいたとします。この課長自身も、ほぼ毎日遅くまで残業をしています。社長から「もっと時間外労働が減るよう、君が指導してくれ」と言われても、まるで聞く耳を持ちません。前出した発言を繰り返しています。そんな課長がこう言いました。

「最近、ダラダラ仕事をしている奴が増えてきた。もっと忙しく働いてもらう」

……このように言われたら、多くの人はどう受け止めるでしょうか。課長は、(残業が多くなるとダラダラ仕事をする人も増える。労働時間をもっと短くしてテキパキ仕事をさせたほうがいい)と思っていたかもしれませんが、部下たちは(もっと忙しくするって……。さらに残業を増やすつもりか)と受け止めるかもしれません。課長にとっては「誤解」かもしれませんが、誤解されそうな言動を繰り返していたことが引き起こしたとも言えるでしょう。

また、いつも約束の時間に遅れてくる人が「今日は踏切で事故があったので遅れてしまいました」と言っても、「本当に?」「今日は踏切事故? 明日はどんな事故に遭遇するんだろうね」と思われてしまうかもしれません。「誤解」ではあるのですが、起こるべくして起こった「誤解」とも言えます。

日ごろから、

■ 誤解されにくい行動

■ 誤解されにくい発言

を続けていれば、たまに軽率な発言をしても、たまに時間に遅れても、「聞き間違い?」「私が時間を間違えた?」と受け止めてくれることでしょう。これもまた「誤解」なのですが、いいように誤解してくれるということです。正しいことをしていても、正しくないと誤解されるのは避けたいですね。

「誤解されにくい行動」「誤解されにくい発言」については、話さないで印象を良くする方法……「マイオーラ」をアップさせる技術をご参照ください。「プラスの行動」を増やして「マイナスの発言」を減らすことが重要だと思います。要するに、日ごろの行いが大事ということですね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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