新型『iPad Pro』はアップルの新しい事業を切り開いていくか?
新型「iPad Pro」が発表されました。発売日は11月か。
日本では「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」のほうが圧倒的に注目されていますが、私が注目しているのは「iPad Pro」。12.9インチの大型画面と4つのスピーカーを搭載しました、この新型「iPad」は、とにかくデカくなった。それだけで魅力十分です。コンシューマーとしてではなく、企業として、活用の幅が一気に広がっていくと同時に、今後の展望も描きやすくなったと言えます。
「iPad Pro」が今後活躍するだろう分野は「デジタルサイネージ」。デジタルサイネージというと空港や駅で利用される「交通広告」との相性がいいデジタル広告媒体ですが、ビルの壁面、デパート、スーパー、ホテル、映画館、病院、美術館などでも昨今はよく見かけるようになりました。今後国内の市場だけでも、2020年には1600億円ほどに膨れ上がると言われています。(2015年度の4倍近い)
店舗内(インストア)でも活用の幅は広がっています。壁に設置したり、陳列された商品のそばに置いたりして、鮮烈で身近なプロモーション活動を人間に代わってリードします。大画面と大音量を出せるスピーカーを備えた「iPad Pro」は、こういったデジタルサイネージの分野にうってつけ。標準デバイスとなる可能性を秘めています。
アップルは「iPhone」や「iPod」など、コンシューマー向けのデバイス事業、サービス事業が収益を支えています。しかし企業向けの端末やソフトウェアでもその技術が生かされると、アップルの収益はより安定化することでしょう。アマゾンも企業向けのクラウド事業で安定収益を得ています。ぜひ広告デバイスとしての進化を期待したいところです。
デジタルサイネージ分野で覇権を握れば「iPad Pro」はさらに巨大化し、いずれ人間よりも大きく立派な「iPad」が登場することでしょう。そしてニューヨークや東京のビル壁面を飾る日が来るかもしれない、と私は妄想したりします。