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小池知事支持率は微減の65% =JX通信社 都内世論調査第2回

米重克洋JX通信社 代表取締役
支持率は引き続き高止まり、都民ファーストの会への投票意向も増加(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

7月2日投開票の東京都議会議員選挙。これに向けて、筆者が代表を務める報道ベンチャーのJX通信社では1月下旬に第1回の都内世論調査を実施した。ここでは小池百合子東京都知事の高い支持率に加え、事実上の「小池新党」である都民ファーストの会の勢いを指摘したが、今回の記事ではそれに続く第2回の世論調査(2月25日・26日実施)の結果を紹介する。

※注:JX通信社は共同通信グループなど他の報道機関との資本関係があるが、今回の調査は自社調査サービスの準備企画として単独で行ったものであり、他社とのデータの交換や提供などは一切行っていない。

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調査の概要はこの図の通りだ。前回同様、RDD方式による電話調査の結果得られたデータをもとにしており、連続性を保つため質問項目の変更はしていない。分析については、定性的な情報や過去の選挙結果を加味している。この方法による調査は一昨年からここYahoo!ニュース上の記事で紹介している通り、首長選、衆院補選、参院選などで繰り返し実施している。

今回の世論調査のポイントは下記の通りだ。

・小池知事の支持率は微減の65.2%(-1.8ポイント)、不支持率は微増の11.5%(+1.3ポイント)

・豊洲問題「評価」84%で変わらずも「高く評価する」やや減る

・投票先は都民ファーストの会が42%で首位、前月より伸ばす

・自民党への投票意向 更に減らして13%に

小池知事支持率は65.2%と微減

今回の調査で小池知事を「支持する」と回答した人は65.2%で、前回調査の67.0%から1.8ポイント減となった。一方、「支持しない」と答えた人は11.5%となり、前回から1.3ポイント増えた。全ての年代で過半を大きく超える支持を集めており、全体としても依然高水準の支持率を維持している。

1月の前回調査から今回調査までの都政の主なトピックと小池知事の支持率
1月の前回調査から今回調査までの都政の主なトピックと小池知事の支持率

都議選への関心を聞いた項目では「大いに関心がある」と答えた層が55%に上り、前回調査から約2ポイント増えた。このうち、小池知事を支持知ると答えた人は72%で、前回調査の74%からは約2ポイント下がっている。都民は引き続き都議選に高い関心を持っており、その関心が高い層から知事がより強い支持を受けているという傾向は変わっていない。

直近で都政の最も大きなトピックとなっている豊洲新市場をめぐる問題についても、前回同様の傾向が示された。小池知事の対応を「高く評価する」または「ある程度評価する」と答えた層は、前回と変わらず84%に上っている。一方、「あまり評価しない」「全く評価しない」と否定的に答えた層は11%と約1ポイント減る結果となっている。

築地市場の豊洲への移転問題について、小池知事の対応を評価するか尋ねた項目への回答
築地市場の豊洲への移転問題について、小池知事の対応を評価するか尋ねた項目への回答

なお、この2月末から3月頭までの1週間強の間、石原元知事の会見や築地市場での地歴やヒ素検出の問題、豊洲市場での検査結果に対する不備の指摘といった大きな話題が相次いでいるが、本調査はその前の2月25日・26日の両日に行われているためそれらの影響を受けていないことを付け加えたい。

「都民ファーストの会」に投票意向が集中

一方、やや大きな変化があったのは都議選における投票意向だ。

7月の都議選における、現時点での投票意向先
7月の都議選における、現時点での投票意向先

今回の調査でも小池新党「都民ファーストの会」に投票すると答えた層がトップとなったが、その率は42.3%に上り、前回より4.5ポイントと大きく上昇した。一方、現在の都議会で主要4会派を構成している政党のうち自民、公明、民進はいずれも1〜2ポイント弱下げており、共産党のみが1.1ポイント増えるという結果になった。

上の知事の支持率を示した図の中でこの1ヶ月のなかでの都政の大きなトピックを記している。ご覧のように、この期間は2月議会開会前の時期だったこともあり、動きは限られている。この中で目立ったのは、小池氏支援候補がトリプルスコアの圧勝という結果になった千代田区長選、そして民進党系2会派の統合による新会派「東京改革議員団」の発足、そして「ドン」と名指しされた自民党の内田茂都議の不出馬表明だ。

引き続きあらゆる政党支持層から支持を集める小池知事
引き続きあらゆる政党支持層から支持を集める小池知事

このように、全体として小池知事の強いモメンタムを示す出来事が続いたことで、高支持率という状況は変わらず、更に都議選での都民ファーストの会への支持集中といった現象を招いていることが見てとれる。

引き続き、3月以降も調査を実施して、情勢分析をアップデートしていきたい。

JX通信社 代表取締役

「シン・情報戦略」(KADOKAWA)著者。1988年(昭和63年)山口県生まれ。2008年、報道ベンチャーのJX通信社を創業。「報道の機械化」をミッションに、テレビ局・新聞社・通信社に対するAIを活用した事件・災害速報の配信、独自世論調査による選挙予測を行うなど、「ビジネスとジャーナリズムの両立」を目指した事業を手がける。

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