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台風9号 来週半ばから日本列島へ 非常に発達するおそれ

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風9号の進路予想図(3日午後6時)

台風9号は北上を続け、来週半ばから日本列島へ接近する可能性が高くなってきています。今回は、台風が強まりやすい海域を通るコースとなりそうで、非常に発達するおそれがあります。

予想コースは主に二つ

台風9号は、来週半ばに沖縄の南東海上に進むというのが、複数の予測データでほぼ一致しています。

その後は、まだ幅がありますが、予想コースは主に二つです。

一つは、来週半ばに沖縄に接近したのち、西にふくらんだカーブで、九州の西を北上するコース。

もう一つは、沖縄かその少し東を通って、あまり西へふくらまず、九州~本州付近へ北上するコースです。

沖縄の南は世界的にも台風が発達するエリア

7月1日の海面水温(気象庁HPより。一部加工)
7月1日の海面水温(気象庁HPより。一部加工)

沖縄の南海上、沖ノ鳥島付近、フィリピンの東海上を囲んだ海域は、世界的に見ても台風の勢力が最も強くなる海域です。特に夏場は、沖縄の南海上での発達が目立ちます。

あくまで過去の統計から見た平均の話ですが、今回も海水温が非常に高く、台風が発達しやすい環境となっています。

仮に本州付近まで北上した場合は、いくらか勢力を落としてきますが、沖縄付近だとまだ発達した状態で近づくおそれがあります。

大雨のギアが一段上がる

台風の北上に伴い、熱帯・亜熱帯の高温多湿の空気が、日本列島へも来ます。その空気は台風が去ったあとも残り、大雨の原材料となるおそれがあります。

季節的に考えると、今回の台風をきっかけに、真夏に向けて大雨のギアが一段上がります。

すでに大雨で被害の出ている所もありますが、本格的な大雨災害が増えるのはこれからです。自分の行動は、災害に遭うリスクはないか、行動の前に一度考えることを習慣にしたい季節です。

■最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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