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ラスト1ヶ月。U-20ワールドカップを控えた若きなでしこ達の想いとは(監督・選手コメント編)

松原渓スポーツジャーナリスト
大会前最後の国内合宿に強い覚悟を持って臨む(C)松原渓

静岡県内で、U-20(20歳以下)女子日本代表候補のトレーニングキャンプが10月9日〜13日の日程で行われている。

11月13日に開幕するU-20ワールドカップに向けた最後の国内合宿であり、チームの仕上げは最終段階に入っている。1ヶ月後の大会に向けた監督・選手の声をお届けする。

※一部コメントは、今合宿前に取材。

合宿についての記事はこちら

【監督・選手コメント】

★高倉麻子監督

※合宿初日

ーー海外遠征も含めて、合宿を積み重ねてきた中で、現在のチームの状態はいかがですか?

選手は国内リーグをずっとやっていて、その中でもゲームに出続けている選手が多いので、サッカー的なコンディションは充実していると思いますが、体の疲労度は若干あるのかな、と感じています。ただ、世界大会に向かうにあたっては、ここからもう一段階上げていかなければいけないので、少し踏ん張ってもらって、合宿は厳しくやっていきたいと考えています。オンとオフをはっきりして、オフは助け合ってやっていけたら良いですね。

ーーなでしこジャパンとU-20を兼任されている中で、一番の大きな違いは何でしょうか?

なでしこの選手は経験のある選手が多いので、ゲームの中での試合運びなどは自分たちなりのプランを持ってやれる選手が多いですね。逆にU-20の選手だと、フレッシュなところがありますし、こちらが提示したことに対しての反応は早いと感じます。ゲームをやっていきながらまだまだ成長してくれると思うので、楽しみですね。

ーー試合に入る時の雰囲気について、なでしこジャパンを指導された上で、どのようなアドバイスをされていますか。

自分の体と気持ちをフィットさせてグラウンドに入っていくという点は、やはり経験のあるベテランは慣れていると思います。ただ、彼女(U-20の選手)たちも、一昨年に比べれば去年、去年に比べれば今年、という風に、しっかりとグラウンドに入ってくる準備はできるようになってきていると思いますし、さらに高めていってほしいと考えています。

ーーU-17ワールドカップで優勝した時とはメンバーも変わっていますが、その時と比べてチームが成長したところはどんなところですか?

プレーのスピードは上がっていますし、判断のところもそれに伴って、全体的なスピード感は上がっていると思います。「自分たちで作っていくんだ」という自覚や、できることの幅も広がったと思います。あとは、いろんなものを選手同士で合わせていくことや、対戦相手があることですので、対峙するときに何を変化させていくか、といったことを、自分たちで考えて高めていってほしいですね。

ーー今回、久々に招集された選手たちに求めることはどんなことですか?

プレーはずっと見てきたので分かっていますが、怪我とか、アジア予選の後で調子を落としているところもあったので様子を見ていました。持っているものは非常に良いものがある選手たちなので、そういった点で、チームに新しい力を与えてくれればいいなと思って呼びました。

高い決定力でチームをけん引する籾木
高い決定力でチームをけん引する籾木

★FW籾木結花(日テレ・ベレーザ)

※合宿初日

ーー大会前の国内最後の合宿ですが、感触はどうですか?

(U-20)ワールドカップ前、最後の練習なので、みんな意識が高いなと感じています。オフの時はみんなリラックスしてふざけ合ったり、楽しい時間なんですが、ピッチに立ったらしっかりと意識を切り替えています。

ーーリーグでも調子がどんどん上がってきていると思いますが、実感としてはどうですか。

自分の中では今までで一番、というぐらいコンディションが良いシーズンだと感じています。毎試合コンスタントに力を出せていることが、結果にもつながっているのかなと感じます。

ーーそのために、この1年間、具体的に改善してきたことがありますか?

自分の(体の)動きの中で、(筋力的に)弱い動きだったり、可動域が狭い部分をトレーナーさんと相談してメニューを作ってもらって、筋トレをしながら少しずつ体を改善していく、ということを1年間取り組んできました。

ーーU-20代表での役割とチームでの役割は違いますか?

基本的なことは変わらないと思いますが、ベレーザにはなでしこジャパンの選手や、年上の選手がいる中で、少し頼ってしまう部分があります。その点、U-20では同い年ばかりですし、年下の年代もいる中で自分がチームを引っ張っていくという意識を持たなければいけないと感じています。

ーー高倉監督が今年からなでしこジャパンの監督を兼任していますが、今後の目標は?

U-20でもずっと見てもらっているので、自分のプレーを知ってもらっているのは良い点だと思うんですが、やっぱりまだまだU-20となでしこの間には差があると思うので、もっとやらなければいけないことがあります。この(U-20)ワールドカップで結果を残して、上の(なでしこジャパンの)人たちに少しでもプレッシャーをかけられるような存在になりたいです。

ーー籾木選手が思うこのチームの良さはどんなところですか?

とても仲が良いところです。自分たちの(20歳の)代と、一つ下の代がメンバーの中では多いのですが、一つ下の代が上の代を、普通にいじってくることが普段からよくあります。プレーの中でも、お互いに自分がやりたいプレーを言い合えることが、私生活でもできていると思います。

ーーあと1ヶ月で大会が始まりますが、どんなことを高めていきたいですか?

残り1ヶ月という中で、大きな改善や変化は生み出せないと思うので、精度を突き詰めることや、コンビネーションを高めていきたいです。

常に相手の背後を狙い続ける河野
常に相手の背後を狙い続ける河野

★FW河野朱里(早稲田大)

※合宿初日

ーーコンスタントに招集されている中で、今のコンディションとモチベーションはいかがですか?

このところ合宿に毎回呼んでいただいて、所属チームでは経験できないようなレベルでやらせてもらっていますし、自分が成長するために本当に大事な合宿が続いています。自分の良さは裏に抜け出す動きだと思っているんですが、そこはこのチームで誰にも負けたくないと思っていますし、強くいかなければいけないと思っています。フォワードというポジションなので、絶対に点は取らなければいけないと思っています。ただ、裏への動きだけになってしまうと読まれてしまうので。落とすプレーの、パスの質を毎回求められるので、そこは特に意識しています。

ーー初めて呼ばれた鹿児島合宿(2016年2月)以来、「質」の部分を高めるために取り組んできたことはありますか?

ファーストタッチやパスなどの質はもちろんですが、海外の選手と戦うことを意識して、筋トレをよりいっそう多くしました。特に、今までやってこなかった上半身の筋トレなどを増やして、海外の選手に対応できるように意識して取り組んできました。8月のドイツ遠征では体調を崩してしまって、あまりプレーする機会がなかったんですが、少し試合に出させてもらった時に、日本では感じることができないようなパワーを感じました。

ーードリブルのスタート時や、一歩目の重心が低いと感じますが、意識していることがありますか?

ドリブルの時に、一歩目で体を当てられたらバランスを崩しやすいので、そこで重心を低くして、相手にぶつかられてもブレないように意識しています。

ーーオフザピッチでは積極的に声を出すようにしているんですか?

硬くなるとうまくいかないので、そこは、オフの時から自分らしさは出すように意識しています。

ーーメンバーと同じ(なでしこ)リーグで普段プレーしていない難しさもあると思いますが、その中で合わせていくために、どんなことが必要だと思いますか?

環境のせいにしてはいけないですし、雰囲気に流されないように自分でコントロールしているんですが、なでしこリーグでプレーしている選手と比べると劣ってしまうと考えているので、そこはこのような合宿で慣れさせてもらいたいと思っています。

ーー気持ちの面も全て含めて、残り1ヶ月間、どんなことを高めていきたいですか?

1ヶ月で大幅なプレーの変更はできないですが、一つ一つの質にこだわることです。一本一本集中して全部シュートを決め切れるように、意識の面でもっと改善していけるところがあるんじゃないかなと思います。

練習でも強烈なミドルシュートを決めた大久保
練習でも強烈なミドルシュートを決めた大久保

★MF大久保舞(岡山湯郷Belle)

※合宿2日目

ーー大会前最後の国内合宿でプレーした感触はどうですか?

リーグは終盤になってきている中で、自分のチーム(岡山湯郷Belle)は厳しい状況ですが、代表に呼んでいただいて、積極的にチャレンジしたい、という思いが強いです。もちろん、結果を出さないともう呼ばれないと思うので、常に「生き残る」という気持ちで取り組んでいます。

ーー自分の良さを、チームの中でコンスタントに出せるようになってきた手応えはありますか?

一人一人の役割があると思いますが、(私は)相手の攻撃の芽を積むことを意識して取り組んでいます。自分の持ち味である守備面では、特徴を最大限に生かしてチームに貢献したいですね。あとは流れの中で点が取れなかったり、1点勝負になった時にミドルシュートで点が取れると大きいと思うので、シュートの精度も上げていきたいです。藤枝順心高校で一緒だった杉田妃和選手や河野朱里選手など、一緒にプレーした選手もいてやりやすい部分もありますし、オフもみんな仲が良くていい雰囲気です。

ーー1対1の勝負で負けないために取り組んでいることはありますか?

球際が海外の選手は強いので、足だけで行かないで、体ごとぶつけるようにはしています。

ーーここ数年間で、転機はありましたか?

昨シーズン、ベレーザ戦(2015年7月20日レギュラーシリーズ12節)でゴールを決めたんですが、強い相手に点が取れたのは自分の自信になりました。そこから次第に試合に出られるようになって、経験を積めたことが大きいと感じています。

ーー大会までの1ヶ月間でどんなことを高めていきたいですか?

1ヶ月で体を大きくすることはできないですが、アジリティのところを上げて、少しでも初速を速くしていきたいです。

体の強化にも手応えを見せる杉田
体の強化にも手応えを見せる杉田

★MF杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)

※10月7日チーム練習後

ーーリーグ戦ではコンスタントに試合に出ていますが、どんな変化がありましたか?

なんとなく悩みながらやっていたところが、できるようになってきましたね。真ん中のポジションはたくさんボールに触らなければいけないですし、遠慮してしまうと、周りの選手が関わりづらくなってしまって悪循環になってしまいます。そういう意味では、自分から積極的にボールに関わって連携が取れるようになったと思います。

ーーこのところフル出場の試合が続いていますが、スタミナがついてきましたか?

そうですね。以前は後半の終盤になってくると、足が動かないというか、ボールにさわる回数が少なくなってきたり、前で関わっていく動きも少なくなってしまっていたんですが、最近は少しずつですが、最後まで関わる動きができるようになってきているのかな、と。

ーープロテインを飲んでいるのは体の強化のためですか?

そうですね。ちゃんと飲もうと思い始めたきっかけは、腿の前が張って、肉離れまではいかないんですが、テープを巻かないといけなくなった時に、筋肉のメンテナンスをした方が良いのかなと思ったんです。たとえ気休めでも、と(笑)体も大きいわけではないので、強化の意味でも飲んでいます。(変わりました?)そうですね。昨年に比べると体が大きくなって強くなった、と言われます。

ーーU-20ワールドカップまであと1カ月ですが、U-17ワールドカップの時とはどんな点が違うイメージですか?

この間のドイツ遠征でドイツU-20と対戦して感じたのは、(U-17ワールドカップの頃と比べると)体が大きくなるし、横にも縦にも日本人より大きい選手が多いですね。ただ、体でぶつかると劣る部分はありますが、体が大きい割に俊敏さは日本人の方があると思いました。それに、海外の選手はディフェンスでも飛び込んできてくれるから、裏をかきやすいんです。そういう意味では、ドリブルだったり、仕掛ける良さを出しやすい相手なのかなと思います。

ーーU-17ワールドカップに続いて、2度目の世界一に向けて、どんな思いで合宿に臨みますか?

U-17(ワールドカップ)で初めて優勝した時も、「優勝したい」という思いで大会に入りましたけれど、そんなにガチガチに固まって入ったわけではなかったんです。一番大切なのはサッカーですけれど、やっぱり生活面もサッカーに出るので、大切なことです。なかなかいつも一緒にできるメンバーではないし、国内合宿で最後のチャンスなので、積極的にコミュニケーションを取りたいです。そこで新しいプレーや連携など、今までなかったようなものが出せればいいなと思いますね。

ーー海外でも食事は普通に食べられますか?

好き嫌いというか、見た目での食わず嫌いはありますね。手をつけるまでに時間がかかるんです(笑)でも、(守屋)都弥は「(5月のパプアニューギニア遠征で行った際に)ごはんは意外と美味しかった!」と言っていたので。どんな意外なのかは分からないですけれど(笑)

高い身体能力でサイドを切り裂く守屋
高い身体能力でサイドを切り裂く守屋

★DF守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)

※10月7日チーム練習後

ーーコンスタントに試合に出るようになって、特に変わったことは?

リーグの最初の頃は、試合の最初から自分のプレーを出すことができなくて、失敗から入ったりして、みんなが「大丈夫、大丈夫だよ」、と励ましてくれて、後半からなんとか巻き返せていたんです。今は最初から、自分のイメージしているプレーが出せるようになったんじゃないかなと思います。

ーー波をなくすために意識したことはありますか?

メンタルが弱く、自信がないと消極的になってしまうことがあったんです。ディフェンス面や、攻撃面でもパスが弱くなってしまったりとか。でも、自信を持っていれば、前に前に、と強く行けたりもするので。そこは、ミスで気持ちが落ちていかないようにしました。

ーーどんな転機がありましたか?

去年はベンチにも入れなかった時に、ずっと近賀(ゆかり)さんの試合を見ていました。どうやったら試合に出られるのか、自分に足りないところは何か。近賀さんはなでしこにも選ばれている方なので、細かいプレーもしっかりと出来ていて、学ぶことが本当に多いんです。それで実際に試合に出てみたら、やっぱり、大まかな部分ではできている部分もあるんですが、(ディフェンス面で)絞るところなどは全然できていませんでした。

ーー海外の選手と対戦する上でどんなことを心がけようと考えていますか?

普通に当たったら負けちゃうと思うので、(体で)当たらないプレーを考えつつ、当たってもタイミングを変えたり、相手がトラップした瞬間に奪うとか、そういうところの工夫をして負けないようにしたいです。

ーー残り1ヶ月で高めていきたいところは?

ハードワークもそうですし、いつも代表では「パスやトラップの精度を高めること」を指摘されているので、意識ています。クロスの質も、いいところに入るかどうかでその後のプレーが変わってくるので、精度をもっと高めていきたいです。あとは、メンタルのところで、試合に出てもっと自信をつけていきたいですね。

なでしこリーグでのゴールも増えてきた北川
なでしこリーグでのゴールも増えてきた北川

★DF北川ひかる(浦和レッズレディース)

※10月4日チーム練習後

ーーコンディションはいかがですか?

リーグ戦では足が攣(つ)ってしまうことがこの2試合あって、体力的にはまったく疲れていないんですけれど。その点はもっと、自分で改善していかなければいけないなと思います。

ーー怪我をしないために意識していることはありますか?

朝食は、あまり食べられないことが多いので、工夫しながらなるべく量を多くとって、バランス良く食べたいなと思います。

ーー(最近、浦和Lに加入したオーストラリア代表の)FWエミリー(・ギルニック)選手と、この時期に一緒に練習して感じるものはありますか?

エミリーはフィジカルがとても強くて、その面では強く当たっていかなければいけないんです。負けている気はしないんですが、勝った時に、「やっぱり今のはぶつかった時のタイミングが良かったからボールが取れたんだな」と、体を当てることの重要性をすごく学んでいます。

ーーU-17の時と比べて、U-20の選手の強さを想像してみるとどうですか?

U-17の時とはフィジカルも違いますし、コンビネーションでの崩し方もU-20の方が豊富ですね。ディフェンスしているときはもっと頭を使わなきゃ、と感じています。余裕はまったくないですし、危機感は常に持っていますね。

ーーリーグ戦でもゴールが増えてきていますが、自分の中でシュートの感覚が研ぎ澄まされてきたようなところがありますか?

最近はチームのビルドアップの面が良くなってきていて、そのおかげもあって、ゴール前まで行ってシュートを打つシーンが増えてきています。シュートまで行くというところは、自分の良さを生かして攻撃的にチャレンジしていきたいなと思っています。

ーー大会まであと1ヶ月ですが、どんなところを突き詰めていきたいですか?

最後まで競争だと思っているし、勝ち取ってワールドカップに行くことが目標です。チームとしても(静岡合宿が)国内最後のキャンプになるので、フィジカル面とかはもっとバチバチやっていかなければいけないと思うし、攻撃面でもみんなで意図したプレーをしていかないと世界では勝てないと思うので、今回のキャンプで取り組みたいです。

力強いリーダーシップでチームを鼓舞する乗松
力強いリーダーシップでチームを鼓舞する乗松

★DF乗松瑠華(浦和レッズレディース)

※10月4日チーム練習後

ーードイツ遠征から帰ってきて、プレーの感触はいかがですか?

一発(のロングフィード)で展開する場面は、試合の中で以前よりも増えてきていると思いますが、やっぱりチャレンジすることが多くなると、パスの配給ミスも出てきてしまっているので。もう少し、トライする状況を見極めてから、本当にチャンスの時にはどんどん、裏への配給をしていきたいですね。

ーーパプアに向けて、高めていきたいポイントは?

どんな相手と試合をしても日本がポゼッションできる時間が多くなる自信はありますが、(もし味方のボールが)奪われてFWに起点のパスが入った時に(前に出て)潰すところです。相手のスピードやパワーがあって、いつも以上に裏への意識は高くしなければいけないと思うんですが、やっぱり足元のアプローチの強さは意識してトライしています。そこで潰してまた攻撃できれば、前線の選手がもっと楽になるので。

ーードイツ遠征でも1対1の強さが際立っていましたが、自分ではどう感じますか?

日本に来ている外国人の選手が今までFWで何人かいたと思うんですが、やっぱりマッチアップするとすごくやる気が出ますね(笑)日本人の選手の方が駆け引きのうまさがあることが多く、海外の選手はスピードがあるけれど予測しやすいですね。

ーーでは、U-20ワールドカップで、初戦のナイジェリア戦は楽しみですね?

そうですね。アメリカの選手とかドイツの選手は今まで試合をする機会があったんですが、アフリカのチームはU-17ワールドカップのガーナのチームとしか対戦したことがないので、試合の中でどう対応できるかがキーになると思います。

攻撃的なプレーで複数ポジションでの活躍を誓う塩越
攻撃的なプレーで複数ポジションでの活躍を誓う塩越

★DF塩越柚歩(浦和レッズレディース)

※10月4日チーム練習後

ーーコンディションはいかがですか?

スタート(先発)から出ていた時(なでしこリーグカップ)は、サイドバックのポジションが多かったんですが、リーグ戦で途中から入る形になってからはサイドハーフでプレーすることが増えています。長い時間、試合に出たい気持ちはもちろんあるんですけれど、短い時間でも元々プレーしていた前目のポジションでやれることは自分にとって、感覚を取り戻せる喜びがあって、伸び伸びできているなぁと思います。

ーー練習でも逆サイドネットに突き刺すような力強いシュートが多いですね。

攻撃が好きなので、狭いスペースでのシュートゲームみたいな練習は、ゴール感覚をつかめる良いトレーニングだと思っています。

U-20でもサイドハーフとサイドバックの両方でプレーすることがありますが、使い分けはリーグ戦からイメージしてやっていますか?

そうですね。サイドハーフとサイドバックでは求められることも違うので、ディフェンスの仕方も、サイドバックならじっくり見て飛び込まないことを意識しています。

ーーチームメートの北川ひかる選手もサイドバックですが、刺激を受けることはありますか?

ひかるは本当に上手だし、守備もできて攻撃もできて、すごいファイターだなと思っているんです。そこはU-20(日本女子代表)の中でも輝いているし、同い年で尊敬しています。

ーードイツ遠征などで、外国の選手とプレーして得たものは?

外国の選手は体も大きいし、一歩も大きいですよね。対等に体でぶつかり合うのは厳しいと思うので、ずる賢く、対等にぶつからないようなディフェンスができたらいいですね。

ーー今回、U-20の国内合宿に選ばれて、率直な気持ちを教えてください。

今回、合宿に呼んでいただいて、嬉しいです。ただ、ここからちょっと人数も減るので、今回の合宿はすごく大事だなと思っています。それに、今回はDFが10人選ばれていて、多いなぁ…と思って(笑)

ーー残り1ヶ月で、高めていきたいところはどんなところですか?

チームだと前のポジションでプレーする機会が多くなっていますが、代表だとディフェンダーでプレーすることが多いので、慣れたところで切り替える難しさはありますが、(U-20の合宿で)みんなから良いものが得られればいいなと思っていますし、ディフェンスでも攻撃面で輝きたいと思っています。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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