Google翻訳、サービス開始から10年:103言語に対応でネット上の言語99%をカバー
Googleが2006年から提供している翻訳サービス「Google翻訳」は2016年2月に新たに13言語を追加した。当初、英語からアラビア語、中国語、ロシア語からの翻訳で開始された「Google翻訳」は現在では世界の103言語に対応し、インターネット上で使用されている言語の99%をカバーするに至った。
新たに13言語追加で103言語に対応
2006年に開始された「Google翻訳」は段階的に、主要言語に対応してきて、世界中の言語が追加されてきた。2016年2月に追加された13言語は以下の通りである。これら13言語で、1億2,000万人が利用しているそうだ。
アムハラ語(エチオピア)
コルシカ語(フランスのコルシカ島)
フリジア語(オランダ・ドイツ)
キルギス語(キルギスタン)
ハワイ語(ハワイ)
クルド語(クルド)
ルクセンブルク語(ルクセンブルグ)
サモア語(サモア)
スコットランド・ゲール語(スコットランド)
ショナ語(ジンバブエ)
シンド語(インド・パキスタン)
パシュトー語(アフガニスタン・パキスタン)
コサ語(南アフリカ)
情報収集の在り方を大きく変えたネットの翻訳サービス
「Google翻訳」に代表されるネットでの翻訳サービスは情報収集の在り方を大きく変えた。かつてWebの翻訳サービスが無かった頃は、辞書を引きながら翻訳、解釈していた。しかしWebでの無料の翻訳サービスの登場によって、簡単に英語や日本語に翻訳できるようになった。「Google翻訳」も人工知能の機械学習によって精度を高めている。つまり多くの人に利用されることによって、機械学習を深化させ翻訳機能の精度を高めていくことになる。
私自身もデータブックを編纂する仕事でトルコやオランダを担当しているが、トルコ語もオランダ語も理解できないので、執筆時にはいつもトルコ語やオランダ語のニュースや文書を英語に翻訳するために「Google翻訳」を利用している。日本語に訳すよりも英語に訳す方が、精度が遥かに高い。つまり、英語に翻訳する人の方が多いから、機械学習での精度が日本語よりも高い。英語以外の言語での情報収集において非常に重宝している。
スマホをかざすだけで翻訳も
さらにGoogleは2015年10月から、ドイツや欧州への中東からの難民増加に対応したことに伴って、「Google翻訳アプリ」でスマートフォンを英語またはドイツ語の文字にかざすとアラビア語に翻訳する機能を追加した。これはアプリの中でカメラを起動して、英語またはドイツ語の文字や看板などにかざすことで自動でアラビア語に翻訳する。かざした英語やドイツ語の文字が、スマートフォン上でアラビア語に表示される。インターネットへの接続も不要でリアルタイムに翻訳される。
これからも「Google翻訳」利用者が増加することによって機械学習が深化し、翻訳の精度が高まっていくことだろう。辞書を引きながら外国語を読み解いていた時代が懐かしい。