DeNA炎上騒動は任天堂が協業を見直してもおかしくない深刻な問題のはず

今回のDeNA炎上騒動を守安社長がどう舵取りするかに本当に注目しています(写真:ロイター/アフロ)

DeNAが運営する医療情報サイトWELQの記事内容に端を発した一連の騒動が、ついにDeNAが運営するメディア9サイトの全記事を公開停止するまでの事態に発展しました。

代表取締役社長兼CEO 守安功からの一連の事態に対するお詫びとご説明

このタイミングでDeNAの守安社長自らの言葉という形で、今度こそ本気でこの問題を改善する姿勢を見せたことは、一連の対応が後手後手にまわったことを考えると、せめてもの救いと言えます。

ただ、どうも今回の騒動が医療情報サイトのWELQというある意味特殊なメディアの問題に端を発していることで、問題の本質を誤解されている方がDeNAの社内の中にも少なくない印象を受けます。

また、早速TechCrunchが守安さんのインタビュー記事を公開しており、書く側も受けた側も偉いなとは思うわけですが。

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DeNA守安氏「認識が甘かった」WELQに端を発したキュレーションメディアの大騒動

どうも記事を見る限り、守安さんも今回の問題の本質をまだ甘く見ているのでは無いかと言う不安がどうしても消えないので、DeNA社内にいるはずの良識派の方々を応援する意味でも、遅ればせながら自分の考えを整理してみることにしました。

誤解の無いように書いておくと、もちろんDeNAがWELQ上で誤った医療情報を発信していたこと自体は許される行為ではありません。

実際に法的に問題があるレベルの行為だったため、朽木さん、辻さん、永江さん、音喜多さんなど多くの方の連係プレーで、都の関係者に問題が伝わることになり、実際にWELQ公開停止につながることになります。

ただ、個人的に、今回の問題で最も怒りを感じているのは、DeNAが組織だって記事の盗用を行っていたところにあります。

DeNAキュレーションメディア炎上の軌跡

一度、簡単に今回の騒動を振り返ってみましょう。

元々いわゆるバイラルメディアやキュレーションメディアによる記事の盗用問題は、業界の一部ではよく議論になる話でしたが、それほど大きな話題にはなっていませんでした。

潮目が代わりはじめたのは、医療情報を取り扱うWELQという媒体の運営方針に視点が集まり始めてから。例えば、9月頃から肉球さんのブログや朽木誠一郎さんの記事をはじめ、多くの人がWELQの問題点を指摘しはじめています。

9月6日 【DeNAパクリ】キュレーションメディアの依頼の実態を掴んだ結果マジで酷いことになってます!

9月10日 医療情報に関わるメディアは「覚悟」を - 問われる検索結果の信頼性

ただ、この時点ではどちらかというとメディア関係者の間での議論で、それほど大きな話題にはなっていません。

DeNA側も特に何の対応もしていなかったと思われます。

流れが大きく変わったのは、WELQが「死にたい」というキーワードでの検索行為に対してSEO対策をした記事を表示し、アフィリエイトで儲けようとしているという指摘をSEO専門家である辻氏が指摘したところに端を発します。

10月22日 「死 にたい」でSEOされたwelq(運営:DeNA)の大きな問題

この投稿を発端として発生した炎上により、DeNA側は初めて広告を削除するという対応を実施。

WELQという媒体の問題が一気に注目を集めるようになります。

10月26日 「死にたい」検索トップの「welq」の記事、DeNAが広告削除 「不適切」指摘受け

一旦、これに対してはDeNAが広告削除の対応をしたため、表面上は終わったことになっていましたが、記事を消さないどころか修正もしないという、本質的な問題に対してはDeNA側が何の対応もしなかったため、火種は消えるどころかくすぶり続けて、11月24日永江さんの記事が投下されます。

11月24日 DeNAがやってるウェルク(Welq)っていうのが企業としてやってはいけない一線を完全に越えてる件(第1回)

これをうける形で、ようやくDeNA側も医療情報の問題に対する対応を行うと発表。

11月25日 内容に問題ありと指摘されていた医療情報サイト「WELQ」、専門家の監修を行うと発表

ただ、この対応がこれまた中途半端なものだったので、火に油を注ぐ結果となりネット上は議論紛糾。

11月28日朝に東京都の音喜多都議が都福祉保健局に問題を報告したことがきっかけで、都がDeNAの担当者に来庁を依頼。

並行してBuzzfeedがDeNA社員やライターの内部告発を取材した記事もおおいに話題に。

11月28日 DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言

翌日11月29日にはWELQのサイトが全面的に非公開になる結果になりました。

11月30日 東京都、WELQ問題でDeNAを“呼び出し”

そして、最終的に12月1日、MERYを除くDeNAの運営のメディア8つを非公開にすることが発表されたわけです。

12月1日 信頼性なき医療メディア「WELQ」に揺れるDeNA、MERYを除く全キュレーションメディアを非公開に

DeNAの一連のやり方を早くから問題視されていたメディア業界の方々からすると、足かけ三ヶ月かかってようやくあるべき姿にたどり着けたというところでしょうか。

医療情報に絞って追及し続けたのが作戦勝ちという面も強い気はします。

非公開にしなかったMERYも、片っ端から記事を削除しているなど、まだ火種がくすぶっている面もあるようですが。

12月2日 「#MERY」は本当に問題なし? 9割以上の記事が消え、広告代理店やライターも困惑

最初はネットサービスでは良くあるトラブルかと思っていた。

実は私自身、11月28日のBuzzfeedの内部告発記事が出るまで、あまりこの問題の深刻さを良く理解していませんでした。

私も自分自身情報発信をしている側の人間として、自分が発信する情報が誤っていることはありますし、思い込みで大げさなことを書いてしまうこともあります。

DeNAの運営しているメディアは「キュレーションメディア」という立て付けで、ユーザーが記事を書いているという触れ込みだったので、信じてたんですよね。

今考えると、群衆の叡智信奉者として、そう思いたかっただけかもしれませんが。

ブログとか掲示板は誰でも書ける場所ですから、質の高い情報もあれば、ガセネタややらせも横行し、トラブルもおこります。

これはユーザー参加型の新しいサービスでは必ず起こる問題です。

今やシェアのサービスの代名詞になっている成功事例であるAirBnBでも、初期は様々なトラブルが問題になりましたし、Wikipediaも多くの批判を受けましたし、今もまだまだ多数の誤りがあると言われています。

YouTubeも初期はテレビの違法アップロードが問題になり、違法アップロードがあるからこそ人気が出たと言われているほど。今でもいたちごっこが続いています。

キュレーションメディアも、ユーザーがキュレーションを実施しているメディアであれば、NAVERまとめが問題になったように著作権を軽く考えているユーザーによる著作権違法行為や、間違った情報発信というのはおこってしまうもの。

私はそう思っていたんですよね。

なので、医療情報というセンシティブな情報を、キュレーションという形で取り組んだら、それは問題が起こって当然だし、これからDeNAはどうそれを改善していくのかが重要だ、と思っていたんです。

なので、うちの会社のスタッフにWELQの話は書かないんですか?と11月25日頃に聞かれた時は、そんなに興味無い、と私は返事してました。

一連のDeNA側の炎上対応は稚拙すぎるにしても、まぁユーザー参加型のネットサービスにおいては必ず通る道だよな、と、そう安易に思っていたんです。

DeNAのキュレーションメディアはキュレーションでは無い

でも、11月28日のBuzzfeedの内部告発記事を見て目を疑いました。 

この記事書いてる人、昨年一部商業メディアにおけるステマの実体を暴く上で、やまもといちろうさんと並んでCNETで大活躍された井指さんですからね。

渾身の力作です。言い訳の余地が無いんです。

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11月28日 DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言

この記事見ると、ホント良く分かるんですけど。

これ違いますよね。

これ全然キュレーションメディアじゃないですよね。

これただの組織的な大量記事盗用メディアですよね。

お金を払う前提でライターを集めて、記事のテーマもキーワードで決めて、仕事をアサインして、公開権限もDeNA側が持っていて。

これ明らかにキュレーションじゃなくて、DeNAが書かせてる編集メディアですよね。

個人の書き手が勝手にやってるとか、個人の書き手の知識不足が問題なんじゃなくて、これ明らかに全部DeNAの意思で書かせてますよね。

しかも、わざわざご丁寧にマニュアルで、参考サイトを明示した上で、文章をコピペでは無く「リライト」することでコピペであることを分からなくするノウハウを教えてるわけですよね。

「参考サイトの文章を、事実や必要な情報を残して独自表現で書き換えるコツ」や「参考サイトに類似しない本文作成のコツ」とか、参考サイトを元にコピペをしたとばれない記事の書き方を、ライターとしての小遣い稼ぎをしたい人たちに教え込んでるわけですよね?

これ今のDeNAの方々がどう思っているか知りませんが、どうみてもこれ明らかに悪質な組織犯罪に見えますよ。

いや、この手の手法をやってるバイラルメディアがそこら中にあるのは良く聞きますし、MERYやiemoもそういうメディアだという評判は初期の頃に良く聞きました。

正直、個人のウェブサイトやスパムサイトも含めて、そういった著作権無視のコピペメディアがはびこるのはインターネットの宿命だと思います。

だって簡単にできるわけで、誰もそれが悪いことだと教えてくれないわけで。

大学生が論文にWikipediaコピペで出してきて大学教授が悩むような時代ですから、そいつらがそのまま社会人になってコピペや記事盗用の何が悪いか分からずに大量にサイト作るのとかって、現実的には不可避だとは思うわけです。

そういう人たちがGoogleAdsenseだけでお金を稼ごうと思ったら、とりあえず記事の質とか無視して大量のゴミ記事量産してでも、検索経由のトラフィックでPV稼いで間違いクリックでも何でもいいから広告クリックさせて、小銭積み上げて何とか日々生きていくためのお金を稼ごうとするのは仕方が無いと思うんですよ。

何しろバルカン半島の10代の若者が小遣い稼ぎのために作ったフェイクニュースサイトが、大統領選のトランプ勝利に影響したんじゃ無いかとか言われてる時代ですからね。

米国大統領選を動かした?“フェイク(偽)ニュース”とメディアはどう戦うのか

底辺のメディアが無茶苦茶やるのは、ある意味、誰でも情報発信可能なインターネットの本質的現象だと思ってしまうわけです。

だから、実はDeNAがMERYやiemoを買収したときに個人的には少しホッとしたんですよ。

上場企業であるDeNAが買収すれば、きっとキュレーションメディアの長所を活かしつつ、違法なところを改善して正当なやり方を見つけてくれるだろうと。

そのあたりの話はやまもとさんも書いてるとおり、実際に改善されたところもあるようですし。

DeNA「サイト炎上」MERY、iemoの原罪とカラクリ

実際、Buzzfeedも、元々米国では著作権軽視だと批判されていたのが、質の高い記事で利益を出す法則を見つけた結果、自社で新聞や雑誌などの既存メディア出身の優秀な記者を採用できるようになった経緯があると聞いています。

ソーシャルネット時代のニュース事業バブル、その実態は?

まぁ、そんな米国では批判される側だったはずのBuzzfeedが、日本では全力でWELQの記事盗用を追及しているのが、ある意味バイラルメディアの進化を象徴してると言えるでしょうし。

MERYも既に女性誌の編集者を大量に採用して自社コンテンツ中心にシフトしているという話を聞きましたし、TABILABOもコピペで炎上した後はコンテンツの質を重視してうまくいっていると聞いています。

なので、記事の違法盗用をしなくても、メディアを新しいやり方で成長させる方法はあるはずなんですよね。

私は、それをDeNAが確立したんだと思い込んでたんですよ。

でも、結果的にはBuzzfeedの記事を見る限り、このお金のない若者とか、駆け出しのベンチャー会社がなんとか会社の利益を出すために必死でやった結果生み出されたような手法が、DeNAの下でより組織的に巧妙に、悪質になっているという事実が、否定できないレベルで開示されてしまってますよね。

DeNAはインターネットのおかげで成功した会社では?

正直すごいショックです。

私はインターネットが好きです。大好きです。

勢いで大企業を辞めて路頭に迷いそうになった自分が、こうやって好き勝手に記事を書かせてもらえるのもインターネットのお陰ですし。

インターネットって問題もたくさんあるけど、たくさんの可能性をもたらしてくれてるわけですよね。

DeNAってそこを土台に成功した第1世代の会社じゃないですか。

1999年創業で、もう創業して17年以上、上場して10年以上とかの大成功事例なんですよ。

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DeNAの中にもインターネットが好きな人がたくさんいると信じたいわけですよ。

時価総額5000億円とかでしょ?

年間の営業利益減ってるって言ったって200億近くあるわけですよね?

大成功事例ですよ。

起業家や経営者としては全くセンスがなく、スタッフに今も迷惑をかけ続けている私からすると本当に羨ましいほどの成功事例です。

そんな大企業が何で、こんなインターネット上のコンテンツに対して全く敬意を払わないどころか、平気で組織的な盗用行為を行った上に、大量のゴミをまき散らすような真似をしてるんですか?

これ、自分達を成功させてくれたインターネットの価値を自分達で下げてますよね。

2012年にコンプガチャ問題が社会問題化したときに、DeNAもグリーも、世間から金の亡者扱いされて猛烈な批判を受けたじゃないですか。

あそこから学ぶことっていっぱいあったと思うんですよ。

当時、WOMJ協議会の会議の場で藤代さんがコンプガチャ問題に対して、DeNAの南場さんが先頭に立って子ども達のケータイリテラシー教育をDeNAがやるとか言えば良いのに、なぜやらないんだ、と、くだを巻きながら語ってたのを良く覚えてますが。

実際、DeNAはソーシャルゲームで得た利益を、そういう未来の子ども達の正しいリテラシー教育を行う方に投資するべきで、お金のない若者に二束三文で記事の違法盗用のノウハウを教える方に投資するとかって、これ、絶対におかしいと思うわけですよ。

今回DeNAはWELQだけでなく、他のサイトも非公開にしましたから、少なくとも医療情報が問題なだけでは無く、記事盗用も問題だったと認識されているとは思います。

ただ、守安さんのインタビューを読んでいると、どうしても不安になるんです。

DeNA守安氏「認識が甘かった」WELQに端を発したキュレーションメディアの大騒動

これ「認識が甘かった」と過去形ではなく、まだ認識が甘いと思います。

インタビューではしきりと監修とか運用とかに対する反省の言葉が出てくるんですが、今一番注目されているのは「DeNAは盗用行為を今後も続けるつもりなのか、どうなのか」ということだと思うんですよ。

今、守安さんが謝罪すべきは、(誤った医療情報で迷惑をかけた読者は当然として)、意図的にコンテンツを盗用したコンテンツ元だと思うんですよ。

でも、TechCrunchのインタビューを見る限り、その謝罪の意思は残念ながら伝わってきません。謝罪があった形跡もありません。

MERYを非公開にせずに、後付けで記事を大量削除しているという行為からも、その点への反省が伝わってきません。 

「指摘されたやつは削除すれば良いんでしょ」という心の声が聞こえてくるような気がするわけですよ。

これ、でも、YouTubeにユーザーが違法アップロードした動画を指摘されて削除するのとはワケが違いますからね。

DeNAが会社として指示して違法盗用行為を行った記事を、指摘されるまでは消さない、という開き直りに見える組織的犯罪に近い行為だから批判を受けているわけです。

もしゲームで同じことをやったら任天堂はどう思うか?

実際問題、記事の盗用って写真とか音楽とかに比べればはるかに簡単だし、罪悪感が薄いのは分からなくもありません。

ネット上の声を見ていても、DeNAを擁護する声も散見されます。

でも、これゲームで同じことが起こったらどう思うかを考えて欲しいんです。

DeNAはあの任天堂と協業してるわけですよね。

任天堂ですよ。

正直、個人的にはネット企業のDeNAが、あの任天堂に頼られるなんて、いよいよ凄い時代になったなと、凄い羨ましい話だなと思ったんですよ。

同時に、任天堂の遺伝子がDeNAにも伝われば、きっとソーシャルゲームももっと面白くなるだろうと期待してるわけですよ。

何しろポケモンGOでナイアンティックと一緒に、射幸性が高い課金とは異なる「ヘルシーな課金」を模索するような会社ですよ。

ポケモンGOが切り開く「スマホ課金」の新境地

いずれにしても、きっと、これはお互い良い影響があるだろうと期待しているわけですよ。

でも、今回DeNAが自称キュレーションメディアにおいて記事の盗用で行っていた行為というのは、ゲームでやったら絶対に許されないはずの行為です。

DeNAが、クラウドソーシングで海外の安いエンジニアを低コストで大量に採用して。

任天堂の流行ってるゲームのリスト渡して、これと同じようなゲームをそれと分からないようにリライトして作ってくれ、と指示してたとしたらどうですか?

DeNAが、マニュアルで、マリオとかクッパのキャラクターの顔を少しだけかえたり、アイテムの種類を変えてコピーだと言われないようにするためのノウハウを指示していたらどうですか?

盗作行為として、速攻任天堂から訴えられる行為ですよね。

協業なんか速攻ご破算ですよね。 

でもこれと同じことを、DeNAは他のメディア会社に対して組織だって実施していたわけです。

どのレベルの経営陣まで、その問題を認識していたか、盗みと分かってあえてやっていたかどうかは別として。

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※追記:

清水亮さんから、創作物は全てインスパイアだから、このレベルを盗作だというのは極論だとご指摘をいただきました。

実際、私も引用と盗作の境界線の線引きは難しいと思いますし、今回のケースがどうなのかは、Buzzfeedの記事で内部告発されたマニュアル等を見て、組織的に盗用をライターに指示しているのに近いと感じているだけなので、DeNAの方々からすると、実際の運用は違うとか別の言い分もあるとは思いますし、はっきり言ってネット上にはもっとひどい事例はゴロゴロあります。

ただ、少なくともDeNAの方々に気がついて欲しいのは、それぐらいの行為をしてるように外の一部の人間からは見えているし、DeNAほど規模の大きく利益の出てる業界のリーダーであるはずの企業がそう見えるような振る舞いをするのは良くない、というのがお伝えしたい中身です。

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同じことをDeNAが記事だけじゃ無く、任天堂のゲームに対しても仕掛けるんじゃないかと任天堂の人が不安になって、協業を白紙にしてもおかしくないレベルの大問題だと思うんですよ。

正直、任天堂ファンとしては、こんな集団記事盗用みたいな、コンテンツのクリエイターに対して、全くリスペクトの無い行為を組織だって仕掛ける企業と協業して欲しくないはずです。

まさかDeNAは、昔グリーに釣りゲームの著作権侵害で訴えられたときに、訴訟で勝訴しているから、ゲームでも盗用して大丈夫だとか思ってるんじゃなかろうか、とか任天堂が心配になってもおかしくない話だと思うんですよ。

釣りゲーム訴訟、グリー敗訴が確定 最高裁が上告退ける

自動運転とか、ヘルスケア事業とかも同じですよ。

DeNAは野球球団も持ってる会社なんですよ。

こういう企業体質の企業と提携してて大丈夫か?と思われても仕方がない話だと思うんですよ。

今回の騒動を「DeNAショック」にしないために

なので、守安さんやDeNAの良識派の方々に、心の底からお願いです。

正直、こんな無駄に長い長文記事を、ここまで読んでもらえないとは思いますが、とにかくお願いです。

このタイミングで9サイト非公開に踏み切ることができたのは非常に重要な決断だったと思いますが、本当に大事なのはここからです。

今回がDeNAがネットの代表企業として「第二の創業」のタイミングと振り返れるような企業になるか、良く分からない懲りない会社と思われ続けるかの分岐点だと思うんです。

今のままの姿勢で表面上の対策だけしても、また同じことがどこかで起こってしまうと思うんです。

というか、今回の騒動は十分ライブドアショック並のインパクトを一部の業界に与える可能性がないわけじゃないんですよ。

既に広告主の方から、ネット企業はどこなら信じられるのか分からない、というメールが私のところに届いていたりしますし、せっかく新しいデジタルマーケティングの挑戦として上司を説得してDeNAにも広告を出そうとしていた担当者の人たちは、今、完全に板挟みになっているわけです。

お前がDeNAなら大企業だから大丈夫だと言ったから広告出したのに、どうするんだ、と。

もはやネットメディアなんてどこも信じられないから、一回全部ネット広告やめろ、とか言い出す経営者がいても全然おかしくない話なんですよ。

なにしろ時価総額5000億円の10年以上上場している大企業の運営するメディアでいきなりこんなトラブルあるわけだから、普通に考えたらできて開設して数年のペーペーのネットメディアなんてもう怖くて広告なんか出せないですよね。

昨年のステマ騒動ともあいまって、ネット企業は全く懲りないから、法律で厳しく取り締まろうという声も当然強くなるはずです。

めちゃめちゃ業界にとっても深刻な問題なんですよ。

なので、本当に心の底からお願いです。

是非、DeNAの対策に対して懐疑的な人たちですら、びっくりするような本質的な対応を見せて欲しいんです。

DeNAのコーポレートロゴって Delight and Impact the Worldで「世界に喜びと驚きを」ですよね。

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でも、多分、いま株主を喜ばすために数字のお化粧することに会社の意識が言ってしまっていると思うんですよ。

完全にお客さんの喜びがどっか行っちゃってますよね。

実際、今の株価の下落幅を見てる限り、下げるには下げてますけどそんなに思ったよりたいして下げてなくて、今のところはメディア事業だけの損失で済むと投資家は判断してるということだと思うんですよ。

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そういう意味では今回の対応も投資家対応的には合格点かもしれないんですけどね。

でも、本当にDeNAが喜ばせるのは投資家だけじゃ無くて、お客さんやネット上の他のプレイヤー全てのはずですよね。

あえて、この記事の中では何度もパクリという軽い言葉では無く「記事盗用」と強い言葉を使わせてもらいましたが、おそらく今回の騒動を引き起こしてしまったDeNAの中の方々からすると、そこまで悪いことをしている認識は無く、会社のリソースや技術を最大限活かして、利益を最大化しようとしたら、結果的に盗用行為になっていた、ということだったんだと思いたいです。

本来は、その才能を、自社一社の金銭的な利益の最大化では無く、お客さんの喜びの最大化のためにちゃんと使うことを考えてくれれば、多分、全く違ったアプローチがあると思うんですよね。

Googleは違法アップロードの温床と呼ばれていたYouTubeに、違法動画の広告収入を元のコンテンツホルダーに還元する仕組みをつくり、その上でピコ太郎は収益的にも大成功しているそうです。

同じようにDeNAが引用元のメディアに広告収入を返す仕組みとか開発すれば良いと思うんですよ。

めちゃ難しいかもしれないけど、そういうことにDeNAに希望を持って入ってきた若者の才能を使うべきだと思うんですよ。

そういう意味では、この話の延長で、昨年はステマ騒動の先陣を切ってサイバーエージェントが糾弾されたこととか、今年も食べログの騒動が再燃してしまったこととか、他の歴史あるネット企業にも同じような話があるじゃ無いかと言う議論もあって、必ずしもこの話はDeNAだけの話では無く、私も含めてネット事業に関わる人全員の問題だと思ったりもするわけですが。

怒りと酔いに身を任せて書いていたら、いつも以上に異様に無駄に記事が長くなってしまったので、今日のところはこの辺で。

5年後に振り返って、2016年12月1日が「DeNAショック」があった日、ではなく、DeNAが第二の創業をして日本のインターネットを心身ともにリードする企業になるきっかけになった日、と振り返れるようになることを切に祈っております。