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WBCの鉄人たち(その2)。3度出場の日本プロ野球経験者。4大会連続となるのは誰? ならないのは誰?

宇根夏樹ベースボール・ライター
フィデル・カストロ(左)とユリエスキ・グリエル MARCH 21, 2006(写真:ロイター/アフロ)

前回の「WBCの鉄人たち。4大会続けて出場する大物メジャーリーガーも」では、過去3度の大会すべてに出場した40数名のうち、第1回の2006年よりも前からメジャーリーグでプレーし、今もなお健在という選手を紹介した。今回は、WBCに3度出場し、日本プロ野球でプレーした経験も持つ選手だ。彼らのなかで、4大会連続の出場を果たすのは誰だろうか。

韓国とキューバには、WBC出場3度&日本プロ野球の経験者が2人ずついる。韓国は呉昇桓(オ・スンファン/セントルイス・カーディナルス)と金泰均(キム・テギュン/ハンファ・イーグルス)、キューバはユリエスキ・グリエル(ヒューストン・アストロズ)とフレデリク・セペダだ。呉は阪神タイガース(2014~15年)、金は千葉ロッテ・マリーンズ(2010~11年)、グリエルは横浜DeNAベイスターズ(2014年)、セペダは読売ジャイアンツ(2014~15年)でプレーした。

韓国の2人は今回のWBCロースター28名に入っており、4大会連続の出場をほぼ確実としている。一方、キューバの2人は出場しない。グリエルはキューバから亡命し、セペダは昨春にトミー・ジョン手術を受けた。キューバは亡命した選手を代表に選んでおらず、彼らが亡命先のチームに加わることもないだろう。ヤシエル・プイーグ(ロサンゼルス・ドジャース)はメキシコ代表入りに意欲を示していたが、実現には至らなかった。

メキシコのカリーム・ガルシア、オーストラリアのジャスティン・ヒューバー、プエルトリコのオーランド・ロマン(ラミゴ・モンキーズ)、イタリアのアレッサンドロ・マエストリ(群馬ダイヤモンドペガサス)も、WBCに3度出場した日本プロ野球の経験者だ。ガルシアはオリックス・バファローズ (2005~06年)、ヒューバーは広島東洋カープ(2010年)、ロマンは東京ヤクルト・スワローズ(2012~15年)でプレーした。マエストリは群馬だけでなく、香川オリーブガイナーズ(2012年)とオリックス(2012~15年)でも投げている。また、ヒューバーとともに3度のWBCに出場したアダム・ブライトは、育成選手として読売(2011年)に在籍した。

この5人のうち、ガルシア、ヒューバー、ブライトのWBC連続出場は3大会でストップしそうだ(ガルシアは昨シーズン、メキシカン・リーグでプレーした)。ロマンはまだわからないが、マエストリは出場すると思われる。

なお、日本人選手では杉内俊哉(読売)が、WBCに3度出ている。ただ、昨シーズンは一軍登板がなく、今回の侍ジャパンには選ばれていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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