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新入社員が「言ってはいけない言葉」ランキング10

横山信弘経営コラムニスト
その発言、大丈夫……?

1位は「モチベーションが足りない」。

新入社員が入社してしばらくすると、仕事や職場の人間関係にも慣れてくるころです。「気の緩み」「中だるみ」「慣れてきたことによる緊張感の欠如」などなど。この時期になると、周囲の同僚や近しい先輩の言葉を真似して、「言ってはいけない言葉」を口にしはじめます。

今回は、新入社員のみならず、一般企業で働く社員ならだれでも言ってはいけない言葉をランキング形式で紹介します。(ランキングはすべて著者の独断と偏見)

それでは1位から発表していきます。

第1位は「モチベーションが足りない」

上司が「どうしてやってないんだ?」と質問すると、「最近どうもモチベーションが上がらないんで、仕事に気持ちが入らないんです」と答える人がいます。自分の目標がすでに達成していて、何の動機付けもないのにさらに成果を上積みしろと言われていたら、モチベーションが引っかかってくるかもしれません。しかし、もしやるべきことをやってもいないのに「モチベーション」というフレーズを持ち出したら、「すり替え」というタイプの言い訳をしていることになります。

「モチベーション」という語彙が日本のメディアで取り上げられ始めたのは2001年以降と言われています。つまりそれまで、この得たいの知れない「モチベーション」なるものに左右されて仕事をするだのしないだのとゴネる人は存在しませんでした。「やらされ感」だのに代表される新語に惑わされないようにしたいものです。

第2位は「時間がない」。

第2位は、「時間がないからできません」「忙しかったのでやっていません」といった「時間のなさ」を強調する言い訳です。同じようなフレーズとして、「バタバタしていてできてません」「いろいろと立て込んでいたのでできていません」といったバリエーションがあります。

「時間がない/忙しい」を無意識に連発する人は脳の短期記憶がオーバーフローしている可能性があります。物理的時間は余裕があるにもかかわらず、頭を整理することができず、「無理だ」「時間がない」という発言を繰り返してしまうのです。本当に時間がないかどうかは、「その作業にどのくらいの時間がかかるか」を自分なりに見積もり、数値化してみましょう。感覚でとらえがちな作業時間を、定量化表現してみるのです。

第3位は、「そもそもこれってやる必要があるのでしょうか?」。

仕事を任せられたときは「やります」と言ったのに、すぐ片付けず、先送りを繰り返したあげく、依頼者から「頼んだ仕事、どうなってるの?」と尋ねられると、まず2位で紹介したフレーズ等を使って言い訳をする人がいます。「バタバタしてたんでできなかったんです」と。こう言われてしまうと、依頼者は引き下がれません。

「だったら、どうして相談に来ないんだ。何も言わずに『まだやってません』なんて言い分が、通用するわけないだろう!」こう指摘されるとと苦し紛れにこのように言い返してしまうのです。

「そもそもこれってやる必要があるのでしょうか?」

「前から聞こうと思っていたんですが、そもそもこの仕事って私がやらなければならないことなんでしょうか?」

依頼者に尋ねられてからこのようにこの切り返すのは、かなり印象を悪くするでしょう。

第4位は「ちょうど今、やろうとしていたんです」。

シチュエーションは第3位のケースと同じ。仕事を任され、先送りしていたら、痺れを切らした依頼者が「あの件、どうなった?」と質問してきます。その瞬間、苦し紛れにこのフレーズが出てしまうのです。

「ちょうど今、やろうとしてたんです」

当然のことですが、依頼者から指摘される前に、作業の進捗を報告すべきですね。

第5位は「無理です」。

職場の人間関係を良好にするためにも、なるべく「できない理由」は言わないようにすべきです。頼まれたことをすべて引き受けるのは難しいでしょうが、「ちょっと難しいな」と思う程度であれば、条件反射で引き受けてしまうぐらいでちょうどいいのです。どうしたらいいかは引き受けてから考えたり、周囲の人に相談してみるべきです。「どうすればやれるんだろう?」と考える歴史が自分を成長させてくれます。ちなみに「できない理由」を言って、最初から何もしないという言い訳を「棄権」と呼びます。

「無理です」

「今、ちょうど立て込んでいまして」

「それは私の仕事ではありません」などなど。

文字通り、頼まれた仕事を「私は棄権します」と断っているので「棄権」という名前がつけられています。

第6位は「セルフ・ハンディキャップ」。

いったんは依頼を引き受けるのですが、その後に「ある事情で、できないかもしれませんが」と予防線を張る言い方のことです。これを「セルフ・ハンディキャップ」と呼びます。会話例を書きますと、

「この仕事を来週中にやってくれないかな?」

「わかりました。ただ今週から来週にかけて来客が多いですから、その期限までに間に合うかどうかはわかりませんが」

依頼を受け取りはするのですが、その後に「イエス・バット法」を使って、もっともらしい「できない可能性のある根拠」を相手に伝える言い訳スタイルです。

第7位は、「できる範囲でやります」。

「自分なりにやっています」も同意語です。自分のできる範囲でやっていたら、いつまでたっても成長しません。先輩や上司に相談するなどして、自分のポテンシャル以上のことをやりましょう。

第8位は「そこまでやる必要があるのですか」。

やりましょう。それだけです。

第9位は、「目標はあくまでも目標ですから」。

まだ入社して1年も経過していないのに、「目標はあくまでも目標であって、できたらいいなという指標のようなもの」と言っていたら、先が思いやられます。

第10位は、「最近、親の調子がよくないので……すみません」

家族や親族の不和、不調を持ち出すケース。これは非常にデリケートなので、ケースバイケースです。ただ、なぜかやたらと家族や親族の問題を言い訳にして、「できなかった言い訳」をする人がいます。デリケートなことなので、周囲も注意しづらいでしょう。ですからその言い分が通ると、勘違いしてしまう人がいます。あまりに頻度が多いと周囲からの信頼を失う可能性もあります。身に覚えがある人は、少し気をつけたほうがいいでしょう。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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